希望講演形式


第113回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

主題

(シンポジウム、パネルディスカッション、ビデオワークショップ)、みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ、一般演題、研修医セッション、専修医セッションを募集いたします。

※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた5演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

主題1(胆・膵)

「胆膵疾患に対する内視鏡ドレナージの治療戦略」

司会 順天堂大学大学院医学研究科 消化器内科学 伊佐山浩通
慶應義塾大学医学部 消化器内科 岩崎 栄典

 胆膵疾患における症状や病態には胆道、膵管の閉塞や胆汁、膵液のうっ滞に関連することが多い。そのため、内視鏡専門医にとって、胆膵疾患に対する内視鏡ドレナージ治療は良性悪性を問わず基本的手技として重要である。さらに、内視鏡ドレナージについてはその目的や治療法、治療後のフォローなど、病態により異なることから、さまざまな因子を盛り込んで日々の治療戦略を組み立てていることと思われる。ERCP関連手技である十二指腸鏡や小腸内視鏡などによる経乳頭・経胆管空腸吻合部処置については確立したドレナージ手技となっている。その一方でEUS関連手技である経消化管的ドレナージの進歩はめざましく、各治療法の選択についても画一的なものではなくなってきている。本セッションでは、各施設からできるだけ多数例の治療成績を発表して頂き、胆膵疾患のドレナージ治療戦略をディスカッションしたい。また、手技に関することはビデオでその工夫がわかるような発表が望ましい。様々な意見をもとに、今後進むべき方向を検討したいと思っており、多数の演題応募を期待している。

主題2(上部)

「上部消化管腫瘍に対する診断と治療戦略」

司会 慶應義塾大学医学部 外科 北川 雄光
日本大学医学部 内科学系 消化器肝臓内科学分野 後藤田卓志

 消化管内視鏡は診断から治療のツールとなって久しい。しかし、適切な治療戦略決定の為には正確な診断が必須である。上部消化管腫瘍の診療において、初回検査時の存在診断、腫瘍を認めた後の質的診断、治療方針決定の為の量的診断の全てにおいて内視鏡は重要な役割を担っている。存在診断における対象者の効率的な拾い上げ、質的診断への拡大観察を含めた画像強調内視鏡の限界、存在診断と質的診断の双方におけるAI内視鏡の可能性について議論したい。その上で、高齢化社会における低侵襲あるいは臓器温存を目指した治療に消化器内科医および消化器外科医が協働でどのように関わっていくべきかの戦略についての議論も深めたい。本シンポジウムでは、上部消化管腫瘍における内視鏡の関わりを検診から診断、治療まで広く応募したい。

主題3(下部)

「大腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療のコツと工夫」

司会 自治医科大学 内科学講座 消化器内科学部門 砂田圭二郎
群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野 浦岡 俊夫

 近年の内視鏡機器・デバイス及び技術の進歩により大腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療が大きな変化を見せている。開発当初は偶発症の高い手技と位置付けされていた大腸ESDは、先進施設においては今や早期大腸癌の標準治療の一つとなっている。本手技を安全・確実に行うためのトラクションデバイスの適用やpocket-creation method, water pressure method, underwater ESDなどの治療ストラテジーが各施設や術者ごとで取り入れられている。また、2cm以下の早期癌や腺腫にはEMR が広く適用されているが、より安全性と確実性を求めた結果、cutting EMR やunder-water EMRが一部の施設で実施されている。さらには、小ポリープへのcold polypectomyは、簡便性や偶発症の少なさから近年急速に普及している。
 本セッションでは、大腸腫瘍性病変に対する内視鏡治療を確実に行うための各手技におけるコツや工夫について広く演題を募集する。手技的困難症例への対応、偶発症予防・対策や抗血栓薬の取り扱いなど周術期管理を含めた各施設の取り組みを共有することにより大腸内視鏡治療のさらなる発展につなげたい。

主題4(複合)

「消化器内視鏡診療における感染症対策」

司会 北里大学医学部 新世紀医療開発センター 小林 清典
東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部 大塚 和朗

 感染症への対応は長く医療の大きな課題であった。しかし消毒法や抗生物質の登場など対応策が確立されるに伴い、関心が小さくなってきていた。内視鏡領域でもH. pyloriの発見の衝撃はあるものの、スタンダードプレコーションの確立により解決済みと思われ等閑視されてきた傾向は否めない。
 しかし、2020年からのCOVID-19によるコロナ禍は医療に甚大な影響を及ぼし、内視鏡領域でもこれへの対策は大きな問題となっている。たとえば、COVID-19陽性患者に対する内視鏡を安全に施行するにはどうしたら良いのか。市中に蔓延している中で未診断COVID-19感染者から他の患者や医療者への感染をどのように予防するか。さらに、COVID-19以外にもさまざまな感染症があり、それへの対応をどうするか。
 安全な内視鏡診療を行う上で、感染症対策は古くて新しい重要課題である。実態が十分に明らかではなく様々な制約もある中で、どのような対応がなされてきたのか、多数の報告や提案をお待ちしている。本主題が、これからの内視鏡診療の助けとなることを期待したい。

主題5(下部)

「IBD診療における内視鏡診断・モニタリング・治療の進歩」

司会 杏林大学医学部 消化器内科学 久松 理一
東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 猿田 雅之

 潰瘍性大腸炎、クローン病に代表される炎症性腸疾患は、抗TNFα抗体などの生物学的製剤が登場してから治療成績は劇的に向上しているが、未だに根治治療はなく、内視鏡検査による正しい診断、適切なモニタリングが不可欠である。近年、診断領域において拡大内視鏡検査や特殊光内視鏡検査だけでなく、AIを駆使した検査も登場し話題となり、モニタリングにおいては、以前と比較して詳細な評価が可能となったことから、炎症の程度と再燃との関連について詳細な検討が行われている。そのため、炎症性腸疾患の治療目標は、潰瘍性大腸炎だけでなく、クローン病についても可能な限り「粘膜治癒」を目指す方向となっている。これに伴いTreat toTargetに基づいた治療の実施において、重症度・活動性の評価だけでなく、予後予測や再燃予測などについても更なる検討が求められている。また、治療における内視鏡の役割は、潰瘍性大腸炎に生じる腫瘍性病変に対する治療、クローン病の狭窄に対する拡張術などがあるが、それぞれの適応や手技などについて未だ標準化されていない。そこで、この主題5では、炎症性腸疾患診療における内視鏡検査による診断法や、適切なモニタリング・サーベイランス法、炎症性腸疾患関連する各種治療法やその適応に対する、新しい考え方や応用について、各施設の取り組みをご発表頂きたい。

主題6(門亢)

「食道・胃静脈瘤の内視鏡治療の現状と展望」

司会 東京女子医科大学 消化器内科学 中村 真一
東京医科大学茨城医療センター 消化器内科 岩本 淳一

 現在、食道静脈瘤は対しては内視鏡硬化療法(EIS)、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)の手技が確立している。さらには硬化療法・結紮術同時併用法(EISL)を行う施設もある。胃静脈瘤に対してはHistoacrylによる内視鏡的塞栓療法が主流であり、止血術の第一選択になっている。食道・胃静脈瘤とも概ね内視鏡手技で対応できるようになってきているが、時に難治(予想)例に遭遇することがある。その場合は超音波内視鏡(EUS)は3D-CT angiographyで血行動態を把握してから治療戦略を検討すべきであろう。胃静脈瘤ではバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)や外科手術に託すべき症例も経験される。
 本主題では、各施設の標準的な手技と治療成績を述べていただきたい。さらに巨大な静脈瘤、複雑な血行動態、合併症を有する例など治療困難が想定される症例に対する診断や内視鏡治療の工夫、IVRや外科手術への適応を論じていただても結構である。内視鏡診断と治療のポイント、工夫を中心に教育的な症例報告を含め静脈瘤診療に関する日常診療に役立つ話題を広く取り上げ討論したい。

主題7(上部)

「消化管機能性疾患に対する診断と治療」

司会 順天堂大学医学部 消化器内科 永原 章仁
防衛医科大学校 消化器内科 穂苅 量太

 アカラシアなどの食道運動障害、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、機能性便秘などの機能性消化管障害の増加が報告されているが、現状では内視鏡検査は器質的疾患の除外にとどまっている。しかし検査中の蠕動運動の評価、知覚過敏の評価、消化管の立体的形状など、器質疾患の除外目的でなく存在診断のツールとしての内視鏡検査が注目されつつある。また、内視鏡機器の進歩により、従来の機器では見えなかった微細な病変が検出されるようになった疾患もあり、一部の機能性消化管障害においては粘膜の異常所見が見出される可能性もある。微細な粘膜所見と機能性消化管障害所見の臨床所見を紐付けすることで、疾患のサブグループ化が提案できる可能性や、将来的な病態解明に寄与するかもしれない。本セッションでは、今後は内視鏡での機能性疾患の評価が重要な課題になるのではないかと見据えて、全ての消化管機能性疾患における内視鏡的な診断への取組を討論する場としたい。また、アカラジアや逆流性食道炎等、すでに内視鏡治療が応用されている疾患についての取り組みや問題点についても活発な議論ができるよう、多数の演題応募を募集いたします。

主題8(胆・膵)

「胆膵疾患に対するInterventional EUSの最前線」

司会 東京大学医学部附属病院 光学医療診療部 中井 陽介
帝京大学医学部附属溝口病院 消化器内科 土井 晋平

 近年、EUSを用いた診断・治療手技の進歩は目覚ましく、とりわけInterventional EUS関連手技に対する関心が高まっている。すでに保険収載されている膵周囲液体貯留や閉塞性黄疸に対する超音波内視鏡下瘻孔形成術をはじめ、膵管や胆嚢など様々な領域へのドレナージ手技、術後腸管に対するアプローチ、腹腔神経叢(神経節)融解術、胃空腸吻合術など多くの応用手技が開発されてきている。一方で、これらの手技の多くは、専用デバイスが存在せず、EUS-FNA穿刺針やERCP処置具を流用して行われているのが現状であり、手技の標準化や偶発症に対する対応など、まだ解決されていない課題も多く残されている。本セッションでは、各種Interventional EUSの治療成績、手技のコツや工夫、応用手技の紹介、トラブルに対する予防と対策などを広く取り上げるとともに、手技の更なる普及に向け未導入施設や若手医師に対する教育もテーマの一つとしたい。幅広く活発な議論を期待する。

主題9(複合)

「内視鏡治療における抗血栓薬マネージメントの現状と問題点」

司会 北里大学医学部 消化器内科学 木田 光広
東京医科大学 消化器内視鏡学分野 杉本 光繁

 2017年に「直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017」が発刊され、抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡検査や内視鏡治療の指針が示された。本邦では高齢化社会が到来し、抗血栓薬内服者が増加している中で内視鏡検査や内視鏡治療時に抗血栓薬マネージメントを適切に行うことは重要な課題と考えられている。抗血栓薬服用者の消化器内視鏡後の消化管出血のリスク因子は患者側因子(年齢、既往歴、透析歴、遺伝学的背景等)、処置関連因子(腫瘍の大きさ、占拠部位、処置内容、処置時間等)、および薬剤側因子(抗血栓薬の種類、内服量等)により規定されることが想定され、特に高危険度内視鏡処置時には、その対策を適切に練る必要がある。内視鏡学会からの現ガイドライン追補版の発刊後4年が経過し、その有用性や問題点につき再検討すべき時期に差し掛かっている。本主題では高齢化社会の進行に伴う消化器内視鏡診療に密接に関与する抗血栓薬服用者に対する内視鏡診療の現状と問題点を探るべく、消化管及び胆膵内視鏡処置時等の斬新、かつ有益な演題の多数の応募を期待したい。

JGES -Kanto Cup -伝統と革新-

司会 埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 良沢 昭銘
司会 東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座 炭山 和毅
基調講演 国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 斎藤  豊
評価者 杏林大学医学部 消化器・一般外科学 阿部 展次
評価者 昭和大学藤が丘病院 内視鏡センター 山本 頼正
評価者 国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科 池松 弘朗
評価者 東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野 土屋 貴愛
評価者 東京大学医学部附属病院 消化器内科 木暮 宏史
評価者 聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 中原 一有

 第113回日本消化器内視鏡学会関東支部例会では、会長特別企画としまして、内視鏡手技のビデオを募集します。内容は、教育的内容から、達人の技、新たな手技、困難症例における工夫、トラブルシューティング等、領域を問わず広く募集します。まず、手技の要約を抄録としてご提出いただき、演題の採択を決定いたします。例会当日は、自己紹介のスライドを含む5分以内にまとめたビデオをご発表いただき、審査員による採点を行います。6位までのご発表には、入賞として表彰を行いますので、皆様、奮ってご応募下さい。

(応募資格)
1. 発表内容は、本学会および国内の他の学会でも未発表であること。
2. 倫理規定に抵触しないこと
3. 同一の所属から複数の先生が応募することはできません。