希望発表形式

シンポジウム

「動画で見る消化管拡大内視鏡診断」

司会 虎の門病院 消化器内科 貝瀬 満
   国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 松田 尚久

消化管疾患に対する内視鏡画像の進歩は目覚ましく、画質の向上及び画像強調観察(Image-Enhanced Endoscopy;IEE)の普及により効率的に早期の病変を拾い上げ、さらに詳細な拡大観察を加えることにより、病理組織像を推定できる精度の高い質的・量的診断が可能となった。頭頸部から大腸まで幅広い領域でのESD 手技が標準化されつつある今、拡大内視鏡診断はさらに重要な術前診断ツールとなるであろう。その一方で、本邦において拡大内視鏡の普及が未だ低率であることも事実である。本セッションでは、動画を中心とした発表を通じて、初学者からエキスパートまで幅広く「明日からの臨床に役立つ拡大内視鏡診断」について議論したい。「拡大内視鏡診断を行う際の手技の工夫や注意点」、「各疾患における Up-to-date な拡大内視鏡による診断の実際と新たな知見」など、咽頭から大腸まで消化管全領域からの演題を広く募集する。

シンポジウム

「炎症性腸疾患のmucosal healing」

司会 東京慈恵会医科大学附属柏病院 消化器・肝臓内科 大草 敏史
   東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部 大塚 和朗

炎症性腸疾患は再燃を繰り返し、次第に腸管損傷が蓄積されて患者の QOL を損なっていく。これをいかに阻止するかは大きな課題であるが、治療法の進歩は、この自然史を変える可能性がでてきた。治療目標は、これまでの臨床的寛解から内視鏡的寛解すなわち mucosal healing へと深化しつつある。炎症性腸疾患の診療においても内視鏡は必要不可欠のものとなってきた。mucosal healing の判定基準として、クローン病は Rutgeerts スコア、SES-CD や潰瘍性大腸炎に対しては Mayo スコアなどがあるが、再燃に対しての妥当性は十分には検証されていない。内視鏡的 mucosal healing が得られれば再燃しないのか?長期経過での検証も必要であろう。また、組織学的 mucosal healing も必要なのか。さらに、mucosal healing の判定に拡大内視鏡や特殊光観察も応用されてきている。再燃しなくなるといった IBD の治療のゴールは、どのような mucosal healing なのか、活発な議論を期待する。

シンポジウム

「胆膵ステント治療の現状と展望」

司会 東邦大学医療センター大森病院 消化器内科 五十嵐良典
   東京大学医学部 消化器内科 伊佐山浩通

胆膵内視鏡診療において、ステント治療は基本である。しかし、病態や治療方針によってその方法やステント選択は変わってくる。胆道疾患でも、良性か悪性か、悪性であれば術前減黄か緩和治療か、また肝門部と中下部では、その治療戦略は大きく異なる。ステントも Plastic stent (PS) か、Self-expandable metallic stent (SEMS) か、SEMS であれば full-covered、Partially-covered、そして Uncovered の 3種類がある。PS では下端を胆管内に入れ込む Inside stent なども注目はされている。また、膵疾患では、近年 PS が認可され、また膵石に対する ESWL も保険適応となった。今後広まる可能性が高い治療手技であり、膵炎または膵石再発予防効果に対しての成績の発表を望む。胆膵領域の複雑な病態に一定の方向性を示すような演題の募集をお願いしたい。今回は種々の病態に対する治療戦略とステント選択に限らず、手技の工夫や困難例に対する Trouble shooting についても募集し、日常臨床に役立つ情報が満載のセ ッションとしたい。

シンポジウム

「外来診療における内視鏡検査の工夫」

司会 川瀬医院 川瀬 定夫
   昭和大学附属豊洲病院 外科 熊谷 一秀

消化器病の外来診療において内視鏡検査は必要不可欠の存在ともいえます。本セッションは井上会長の肝いりで、多くの会員の方々が参加(大学、病院、クリニックの各先生方全員)できるよう、日曜日の午前に開催されます。外来診療における内視鏡検査の目的はスクリーニング、経過観察、精密検査、内視鏡治療など様々なグレードがありますが、見逃しを少なくかつ効率的な安全な検査システムの構築が重要であることは言うまでもありません。内視鏡検査を受ける患者さんへの informed consent、前処置、sedation、内視鏡機種の選択、挿入法などの工夫、特殊観察の使い分け、生検の位置づけ、後処置、filing system およびデータ管理の工夫など上部、下部内視鏡検査、胆膵内視鏡、治療内視鏡などについて各施設の外来診療における内視鏡検査に関わる工夫されたアイデア、手技について発表いただきたい。病院における外来診療のみではなく入院設備を持たないクリニックの内視鏡検査の工夫に関しての発表も大いに歓迎します。

パネルディスカッション

「動画で見る消化管ESD のさらなる工夫」

司会 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター 矢作 直久
   国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 斎藤 豊

胃・食道に引き続き大腸 ESD も保険収載されたことで、全ての消化管 ESD が多くの一般病院で施行できる時代となりつつある。
ESD デバイスの発達、ESD 手技のストラテジーの確立により、ESD はさらなる発展を遂げているが、それでも、それぞれの臓器別に困難例は存在し、また十二指腸に関しては合併症の高さと臨床的意義も考慮し、ESD 手技の是非も議論となっている。
本主題セッションでは、各施設独自のデバイスの工夫、ESD を安全確実にするストラテジーの工夫などを、動画を中心に分かりやすく解説いただき、標準的 ESD から困難例の対策まで、咽頭から大腸まで全消化管にわたり広く演題を募集する。
また ESD を安全に施行するために不可欠な、穿孔や出血などの偶発症予防や偶発症に対する対応策、さらには、腹腔鏡補助下のESD などの合同手技(LECS や SET など)についての発表も歓迎する。

パネルディスカッション

「EUS-FNA による診断と治療の実際と工夫」

司会 埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 良沢 昭銘
   北里大学東病院 消化器内科 木田 光広

近年、EUS-FNA の手技を応用した様々な Interventional EUS が普及しつつある。診断では単なる病理診断のほか、遺伝子診断や抗がん剤感受性試験も試みられている。治療では各種 EUS ガイド下ドレナージ術、とりわけ膵仮性嚢胞ドレナージ術が比較的広く普及しており、EUS ガイド下膵ネクロゼクトミーも試みられている。また経乳頭的アプローチ困難症例に対する胆管・膵管ドレナージ術にも応用されている。さらに癌性疼痛に対する治療として腹腔神経 叢・腹腔神経節ブロック術の試みが報告されている。EUS ガイド下抗腫瘍療法として、薬剤注入による方法、放射線粒子植入療法、特殊デバイスの穿刺による治療が試みられている。しかしながら、それぞれの診断・治療手技は未だに標準化されているとは言えず、各種デバイスもまだまだ工夫の余地がある。本セッションでは各施設で行われている Interventional EUS の現状と工夫、新たな知見や試みを発表していただきたい。

パネルディスカッション

「経鼻内視鏡の進歩と実際」

司会 東京医科大学病院 内視鏡センター 河合 隆
   東京医科歯科大学 食道・一般外科 川田 研郎

細径経鼻内視鏡は,苦痛の少なく患者さんの受容性の高い検査法でありますが,一方で解像度が経口内視鏡より相対的に劣る事がこれまで問題とされてきました。しかし,近年内視鏡機器の進歩に伴い,通常径経口内視鏡と遜色ない画像が得られ,加えて画像強調併用観察により,微小癌も視認可能な精度の高い検査法として期待されております。もともと患者さんのニーズも高い事から,近い未来には「上部消化管スクリーニングは経鼻内視鏡がファーストチョイス」になる可能性があります。
本セッションでは、各施設の前処置の工夫、観察方法の工夫(valsalva 法など)から画像強調観察(NBI,FICE,i-scan など)、さらには PEG、イレウス菅の挿入、ESD の補助などの応用、また内視鏡検診における問題、さらには今後必要とされるであろう経鼻内視鏡の教育的な問題点も含めて奮ってご応募ください。

ワークショップ

「小腸内視鏡の最新の工夫」

司会 自治医科大学附属病院 消化器センター内科 山本 博徳
   慶應義塾大学医学部 内視鏡センター 緒方 晴彦

バルーン内視鏡、カプセル内視鏡により小腸の内視鏡検査が日常検査として確立しているが、まだまだ小腸疾患の診断、治療においては解決するべき課題は多く残されている。
たとえば内視鏡検査が可能となっても小腸出血の診断はしばしば困難であり、出血を繰り返しているにも係らず、内視鏡検査で出血源の同定が出来ない場合もある。小腸におけるポリペクトミーやEMR、狭窄に対するバルーン拡張術なども技術的に困難な場合がしばしばある。これらの困難な状況を解決するために診断、治療における多くの工夫がなされていると思われる。またカプセル内視鏡の前処置や投薬の工夫、読影を効率的に行う工夫なども考えられる。
本セッションでは実臨床に役立つ小腸内視鏡の最新の工夫を紹介していただき、有意義なディスカッションを行いたいと考えている。
器具の工夫でも方法やトレーニング法の工夫でも参加者が聞いて役立つ工夫であれば歓迎する。多くの演題の応募を期待している。

ワークショップ

「内科と外科のコラボレーションによる消化管全層切除術の現況」

司会 がん研究会有明病院 消化器センター 比企 直樹
   杏林大学医学部 外科 阿部 展次

必要最小限の消化管全層部分切除を目的とした内視鏡的全層切除術や腹腔鏡内視鏡合同手術が行われるようになっている。これらは、現在のところ、主として GIST などの胃粘膜下腫瘍に対して行われているが、一部の先進的な施設では胃上皮性腫瘍や十二指腸腫瘍、大腸腫瘍にも適応が広げられつつある。しかし、これらの術式の厳密な適応(疾患、部位など)や手技上の問題、内科/外科の体制の問題、病理組織学的側面から見た問題点などは、十分に議論されてきたとは言い難い。本ワークショップでは、各施設における消化管全層切除術の現況を示していただき、これらの問題点を浮き彫りにしながら議論の的としたい。多数の演題応募を期待する。