希望講演形式


第111回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

主題(ビデオシンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ)、一般演題、研修医セッション、専修医セッションを募集いたします。

*演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた5演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

ビデオシンポジウム

「日常診療に役立つ非拡大画像強調観察の進歩~検診をみすえて~」

司会 東京医科大学 消化器内視鏡学分野 河合 隆
杏林大学医学部 消化器内科学 久松 理一
コメンテーター 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科 岡 政志
昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 三澤 将史

内視鏡のモダリティの進歩は著しく、NBI & BLI、LCIなど非拡大画像強調観察が一般医家でも可能な時代となった。消化管早期がん(食道・胃・大腸)の内視鏡的治療の普及も進んでおり、ますます”病変の拾い上げ”と”適切な診断”が重要となっている。またピロリ除菌後胃がんなど従来のストラテジーでは対応できない新たな問題も浮かび上がってきている。今回のセッションでは専門的な拡大内視鏡観察に進む前に必要なスクリーニング内視鏡で必要な非拡大画像強調観察における工夫や限界などについて幅広く取り上げたい。特に検診を念頭に置いた一般医家からの演題も歓迎する。

ビデオシンポジウム

「日常診療に役立つ拡大併用画像強調観察の進歩」

司会 国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 斎藤 豊
昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 井上 晴洋
コメンテーター 東京慈恵会医科大学 内視鏡部 土橋 昭
東京医科大学 消化器内科 福澤 誠克

内視鏡観察は従来法の白色光観察の時代から、Image-enhanced Endoscopy(IEE)/Advanced Diagnostic Endoscopy(ADE)の時代に、さらに超・拡大観察(細胞観察)の時代へと大きく進化している。
丹羽、田尻らにより、このIEE は、白色光、画像強調観察(光学法、デジタル法、光デジタル法、色素法)、拡大内視鏡観察(光学法、デジタル法)、顕微内視鏡観察(光学系、共焦点系)、断層イメージング(OCT:Optical Coherence Tomography、超音波内視鏡)と大きく分類されている。
画像強調観察・拡大内視鏡観察は日常臨床ですでに一般化されている観察法であり、①病変の拾い上げ②腫瘍・非腫瘍の鑑別③癌の深達度診断④炎症性疾患の診断など多岐にわたり、新たな工夫や最新の知見などを動画を用いて効果的な発表を期待したい。すでに市販化されている超拡大内視鏡の日常臨床における意義や、顕微内視鏡観察や断層イメージング、AI(artificial intelligence)を用いた診断なども含めた将来展望に関する発表も歓迎する。
本セッションでは、咽頭・食道から、胃、十二指腸、大腸、肛門まで広範囲に、“日常臨床に役立つ”観察法、診断法について、動画による活発な討論をお願いしたい。

ビデオシンポジウム

「胆膵内視鏡診断の進歩」

司会 北里大学医学部 消化器内科学 木田 光広
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 入澤 篤志
コメンテーター 自治医科大学附属さいたま医療センター 消化器内科 眞嶋 浩聡
東京大学大学院医学系研究科 光学医療診療部 中井 陽介

胆膵疾患に対する内視鏡診断は、従来からのERCP/EUS画像診断を基本として、近年の技術革新とともに大きく発展してきました。画像診断法としては、胆道鏡・膵管鏡や造影EUS、EUS-Elastographyなどによる診断能の向上が数多く報告されています。また、最近ではAIによる診断も試みられるようになってきました。一方、病理診断としても、早期膵癌診断のためのSPACE(serial pancreatic juice aspiration cytologic examination)、Gene-sequenceのためのEUS-FNA/FNB、そして新たな生検デバイスの開発など、近年の発展は目覚ましいものがあります。本ビデオシンポジウムでは、胆膵内視鏡診断に関する新しい取り組みをご発表頂き、今後の胆膵内視鏡診断の更なる発展に繋がる深い討論をしたいと考えています。多くの演題応募を期待しています。

パネルディスカッション

「消化管出血へのアプローチの最前線」

司会 筑波大学附属病院 消化器内科 溝上 裕士
北里大学医学部 新世紀医療開発センター 田邉 聡
コメンテーター 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科 今井 幸紀
東京医科大学 消化器内視鏡学分野 永田 尚義

消化管出血は日常臨床において遭遇する頻度の高い病態である。一方、消化管出血の原因疾患も従来の消化性潰瘍から、薬剤起因性潰瘍や、小腸出血、大腸憩室出血と時代とともに変化しつつある。この背景には、急速に進む高齢化社会を迎え基礎疾患合併例の増加により、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や抗血栓薬服用者の増加が影響していると推察される。なかでも、大腸憩室出血の増加は著しく、再出血に難渋する症例も経験する。
本パネルディスカッションでは、静脈瘤出血、非静脈瘤性出血にかかわらず、あらゆる消化管出血(上部、小腸、大腸)を対象に、出血源の診断の進め方や同定が困難な場合の工夫、内視鏡的止血法の選択や手技の工夫、内視鏡治療の限界とIVRや外科手術のタイミング、併存疾患や抗血栓療法への対応など多方面からの演題応募をいただき、明日からの日常診療に役立つパネルディスカッションにできればと考えている。多数の演題応募を期待する。

パネルディスカッション

「小腸内視鏡診療の現状と展望」

司会 慶應義塾大学医学部 内視鏡センター 緒方 晴彦
自治医科大学 内科学講座 山本 博徳
コメンテーター 杏林大学医学部付属病院 消化器内科 林田 真理
慶應義塾大学医学部 内視鏡センター 細江 直樹

バルーン内視鏡、カプセル内視鏡の開発により深部小腸の内視鏡診療が実用化レベルに達して約20年が経過した。この間に小腸疾患の診療は大きく変貌を遂げたが、まだまだ診断治療に苦慮する症例もまれではない。小腸疾患の内視鏡診療においては病歴その他の臨床情報を含めた包括的診断と安全で計画的な内視鏡の有効活用が重要となる。
小腸疾患に対する内視鏡診療に関し、各施設で行われている効率的診断や安全かつ有効な治療手技の工夫など教育的発表もしくは今後の小腸内視鏡診療を展望するような新たな発見、試みなどの発表を広く募集する。炎症性疾患、腫瘍性疾患、その他など疾患の種類は問わず多くの演題応募を期待する。

パネルディスカッション

「内視鏡による炎症性腸疾患診療の進歩」

司会 東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 猿田 雅之
埼玉医科大学 消化管内科 都築 義和
コメンテーター 慶應義塾大学医学部 消化器内科 金井 隆典
北里大学医学部 消化器内科学 横山 薫

内視鏡は炎症性腸疾患の診断・治療・モニタリングにおいて不可欠であり、中でも診断・モニタリングにおいてはゴールドスタンダードとなっている。潰瘍性大腸炎の診断・粘膜評価においては特殊光内視鏡・拡大/超拡大内視鏡の普及で以前と比較して詳細な評価が可能となりつつあり、鑑別診断に役立つとともに炎症の程度と再燃との関連が明らかになってきている。また、小腸病変を有することが多いクローン病・ベーチェット病では小腸の評価としてカプセル内視鏡・バルーン内視鏡を用いることが浸透してきており今後Treat to Targetの概念が浸透するにつれて予後予測可能な重症度・活動性の評価法の提唱がなされる可能性も考えられる。
治療においては潰瘍性大腸炎に生じた腫瘍性病変に対する内視鏡治療の適応、クローン病の狭窄に対する拡張術の適応と手技などまだまだ標準化されていない部分があることも確かである。本パネルディスカッションでは、炎症性腸疾患の診断において内視鏡施行のタイミングから粘膜/活動性評価、治療方針への影響、モニタリング・サーベイランスにおける新しい考え方、治療への新しい応用など、各施設での取り組みにおける最近の進歩についての演題を期待したい。

パネルディスカッション

「内科と他科(他領域)との内視鏡診療コラボレーション」

司会 慶應義塾大学医学部 一般消化器外科 北川 雄光
日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野 後藤田卓志
コメンテーター 杏林大学医学部 上部消化管外科 阿部 展次
自治医科大学 内科学講座 消化器内科学部門 矢野 智則

消化管内視鏡の普及により、消化管癌の早期発見・早期治療が既に広く一般化している。今後のさらなる発展には他科あるいは医療以外の分野との共同開発が必要と思われる。治療においては、高齢化する癌患者に対して臓器温存や超低侵襲化が望まれることから、外科領域あるいは腫瘍内科や放射線科との協働が欠かせない。診断においては、人工知能を用いた診断能が既に人を超えているとの報告が数多くある。しかし、この分野の開発や国際競争に勝つには医師だけではもはや不可能である。さらに、内視鏡は消化管機能評価の分野でも期待ができ、システムエンジニアや工学系との協働が必須である。また、本学会は小児科医および小児外科医のための内視鏡研修や専門医取得にも取り組んでいる。
本シンポジウムでは、内視鏡を用いた診療・治療における各分野での新展開について広く応募したい。また、我々司会者では思いつかない素晴らしいアイデアを持っている方もいると確信している。臨床応用が実現していないアイデアでも学会員と広く議論することで実現の可能性が出てくると考えている。

ワークショップ

「ピロリ陰性時代の上部消化管疾患の内視鏡診療」

司会 がん研究会有明病院 消化器センター 藤崎 順子
東海大学医学部 内科学系消化器内科 鈴木 秀和
コメンテーター 順天堂大学医学部 消化器内科 永原 章仁
東京女子医科大学 消化器内視鏡科 岸野真衣子

ピロリ菌感染率低下と除菌保険収載でピロリ陰性時代に突入しつつある。ピロリ陰性時代の上部消化管疾患は従来内視鏡診断してきた疾患群とは明らかに異なった様相をきたしている。
また未感染と除菌後では全く病態が異なる。本WSではピロリ陰性時代、すなわちHelicobacter pylori(以下Hp)未感染、除菌後の背景に起きうる疾患群について良性から悪性疾患まで多くの角度からの応募をお願いし、現時点でのピロリ陰性時代に知っておくべき疾患を考えたい。
具体的にはHp未感染、除菌後の胃癌や胃MALTリンパ腫またGERD、バレット食道やバレット腺癌、食道胃接合部癌、さらには機能性胸焼け、食道運動障害、好酸球性食道炎、NSAID潰瘍、non-Hp, non-NSAID潰瘍、そして機能性ディスペプシア(FD)などがある。未感染、除菌後胃癌に関しては早期胃癌だけでなく進行胃癌の発表も近年では散見され、遺伝子パネル検査の導入も話題である。またGERDの増加に伴い、本邦でも欧米並みにバレット食道腺癌、接合部癌が増加するか否かも不明である。ピロリ陰性を背景とし、広く内視鏡診断から治療に際しての、多くの先生方からの発表を共有し、本WSから重要な情報を発信していきたいと考えている。

ワークショップ

「胆膵内視鏡治療の工夫とリスクマネージメント」

司会 順天堂大学大学院医学研究科 消化器内科学 伊佐山浩通
埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 良沢 昭銘
コメンテーター 東邦大学医療センター大森病院 消化器内科 岡野 直樹
聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 中原 一有

胆膵内視鏡治療は日進月歩であり、常に新しい手技がトピックになっている。大きな流れも常に変わっているが、基本的な手技であっても各施設で手技やデバイスの工夫が行われており、徐々に進歩しているのが現状である。色々な工夫がなされているが、発表されずに埋もれていく工夫も多いのではないかと愚考している。今回は小さくても自分なりに工夫されているものがあれば是非発表して頂きたい。小さな工夫に大きな気付きがあることもあるので、そういうものを掘り起こすセッションとしたいと考えている。また、今回はリスクマネージメントというテーマも有している。偶発症の予防、起きてしまった時の対処など重要事項を多く含んでいる。いわゆるトラブルシューティングも今回のセッションテーマの一つとなるので、是非先生方の工夫をシェアして頂きたく、また可能な限りビデオを示して頂きたいと思っている。難しい手技や場面を克服する工夫、社会的にも必要なリスクマネージメントにつき様々な情報を集めて、みんなで共有したいと思っている。華やかで実りあるセッションを目指して、多くの演題応募を期待している。

ワークショップ

「大腸腫瘍に対する内視鏡治療の工夫とリスクマネージメント」

司会 慶應義塾大学医学部 腫瘍センター 矢作 直久
群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野 浦岡 俊夫
コメンテーター がん研有明病院 下部消化管内科 斎藤 彰一
横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器内科 平澤 欣吾

内視鏡機器及び技術の進歩により、大腸腫瘍に対する内視鏡診療が大きな変化を見せている。
早期大腸癌に対するESDは標準化されつつあり、先進施設においては多くの病変が安全に一括切除されるようになってきた。大腸ESDの手技的難易度は、病変や患者はもちろん術者側によって異なることから、施設や術者ごとの切除ストラテージや各種デバイスの開発や導入など様々な工夫やコツが存在する。2cm以下の早期癌や腺腫にはEMRが広く適用されているが、より安全性と確実性を求めた結果、一部の施設ではunder-water EMRが実施されている。これらの内視鏡的切除法には穿孔や後出血などの偶発症の問題が残されているが、各施設でその予防・対策がなされている。小型大腸ポリープへのcold polypectomyは、簡便性や偶発症の少なさから近年急速に普及してきたが、その適応や遺残・再発の問題など解決すべき課題は残されている。
そこで本ワークショップでは、大腸腫瘍に対する内視鏡治療を安全かつ確実に行うための工夫や新たな展開について広く演題を募集する。偶発症予防・対策を含めた取り組みを参加者で共有・討論し、内視鏡治療のさらなる発展につなげたい。

ワークショップ

「上部消化管疾患に対する内視鏡治療の工夫とリスクマネージメント」

司会 虎の門病院 消化器内科 布袋屋 修
東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座 炭山 和毅
コメンテーター 昭和大学藤が丘病院 消化器内科 山本 頼正
東京大学大学院医学系研究科 消化器内科 辻 陽介

上部消化管腫瘍に対する内視鏡治療は、技術革新や術者による工夫の積み重ねによって手技的に洗練され、適応拡大も着実に進んでいる。一方、内視鏡治療に対する社会的ニーズや守備範囲が拡大すれば、自ずと治療困難例に直面する機会は増える。また、社会の高齢化と共に、ハイリスク症例への治療機会が確実に増加している。故に、内視鏡医には、現状に満足せず、新たな課題の解決へ向けた、更なる工夫や改善が求められている。加えて、近年、内視鏡治療の適応は、腫瘍切除や狭窄解除、胃瘻造設など従来の対象に止まらず、その裾野がアカラシアやGERDなど機能性疾患へも広がりを見せている。本ワークショップでは、疾患、手技を問わず(ただし、出血性疾患、多領域との合同治療を除く)、上部消化管疾患を対象とした内視鏡治療における、手技的工夫やトラブルシューティングについて、症例の動画を示しながらご発表いただきたい。また、リスクマネージメントについては、周術期管理についても広く演題を募集し、コメンテーターを交え議論したいと考えている。