希望講演形式


第112回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

主題(シンポジウム、パネルディスカッション、ビデオワークショップ)、みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ、一般演題、研修医セッション、専修医セッションを募集いたします。

※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた5演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

シンポジウム

「胃内視鏡検診・スクリーニングの現状と問題点」

司会 今枝 博之(埼玉医科大学 消化管内科)
山道 信毅(東京大学医学部附属病院 消化器内科 予防医学センター)

本邦の胃がん内視鏡検診は長らく任意型検診がリードしてきたが、2016年より対策型胃がん検診としての内視鏡検診が導入された。大きな期待が寄せられる一方、ダブルチェックの体制作りや精度管理の問題、専門医の不均一な局在(地域格差)、内視鏡医の教育など、多くの課題に直面している。また、胃内視鏡検診における諸問題として、1)H. pylori感染の減少に伴う胃がんの性状の変化、2)経鼻内視鏡の進歩、画像強調観察、さらにはAI診断を含め、検診やスクリーニングに最新技術の活用をどのように目指すべきか、3)H. pylori感染状態の評価によるリスク層別化の概念を内視鏡検診にどう生かすか、などの課題が存在している。これに加えて、2020年以降、「Withコロナの時代における受診者・医療従事者の双方に安全な内視鏡検診」を模索するという新たな課題が追加された。本セッションでは最新の実状、課題、将来展望を多くの先生方にご提示いただき、情報共有とともに、幅広い議論ができる場にしたいと考えている。多くの医療機関からの演題応募を期待したい。

シンポジウム

「胆膵領域の内視鏡診断の最前線」

司会 糸井 隆夫(東京医科大学 消化器内科)
良沢 昭銘(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)

胆膵領域の内視鏡診断は、ERCPおよびEUSといった画像診断を基本としているが、近年における内視鏡診断の発展はめざましく、様々なERCP・EUS関連の画像診断、生検診断が行われている。画像診断としては、従来のERCPに加えて、胆道鏡検査、膵管鏡検査が普及しており、さらに共焦点レーザー内視鏡(probe-based conforcal laser endomicroscopy: pCLE)による超拡大診断の有用性も報告されている。また、EUSでは造影EUSやElastographyなどによる診断能の向上が報告されている。さらにAIによる診断も試みられるようになってきた。一方、生検診断においては、ERCPガイド下擦過細胞診断、生検、膵液細胞診、EUS-FNAが日常診療で行われており、これらの検体を用いた遺伝子診断も報告されている。本シンポジウムでは、胆膵領域における内視鏡診断に関する各施設での取り組みをご発表いただき、診断成績を向上させる技術や工夫などを共有できることを期待している。

パネルディスカッション

「消化器内視鏡トレーニングの実際」

司会 大塚 和朗(東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部消化器内科)
炭山 和毅(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)

消化器内視鏡は、検査・治療の両面であらゆる消化器診療における基本的技能となっているが、その成果は術者の技能に大きく左右される。多様な症例を経験することは十分な技能を習得するために必須であるが、トレーニング期間だからといって、見落としや偶発症が許容されるわけではない。特に治療については、偶発症のリスクを推定し、術者の技能に応じた症例選択を行うことが重要である。一方、検査については、スクリーニングやサーベイランス目的の内視鏡検査に対する社会的要請は増大しており、指導医の管理・指導の負担も小さくない。先般、新たな専門医制度が発足し、各施設で指導体制の標準化や底上げが図られているが、未だ施設間によってその方法は大きく異なる。そこで本パネルディスカッションでは、各施設でのトレーニング方法や、研修者の技能評価法、症例選択基準などを共有いただき、課題や改善方法について議論したい。また、指導者側からの視点のみならず、研修者から見たトレーニング法の利点や課題についての演題もご応募いただきたい。

パネルディスカッション

「小腸疾患の診断・治療の実際」

司会 久松 理一(杏林大学医学部付属病院 消化器内科学)
砂田 圭二郎(自治医科大学 内科学講座 消化器内科学部門)

小腸疾患には、クローン病を代表とする炎症性疾患から、リンパ腫や癌などの腫瘍性疾患、出血の原因となる血管性病変、さらには吸収不良症候群や蛋白漏出性腸症など様々な疾患・病態が含まれる。カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の登場は、小腸疾患の診断・治療に大きな改革をもたらし、また低侵襲で管外の情報も得られる腹部超音波、CT enterographyやMR enterography などのcross sectional imagingの進歩も著しい。小腸疾患の診断には、こうした検査法を補完的にうまく組み合わせることが求められている。また、小腸疾患に対する内視鏡治療にも様々な進歩が見られ、狭窄性病変に対する拡張術、腫瘍性病変に対する切除術や出血性病変に対する止血術などが従来の手術療法に代わり得る治療として積極的に行われるようになってきた。
本セッションでは、各施設で行われている様々な小腸疾患に対する診断法の工夫や安全で有効な内視鏡治療法に関する演題を広く募集する。なお、拡張術に関しては別セッションが予定されており、本セッションでは、拡張術以外の治療を対象とすることとする。

パネルディスカッション

「これからの消化管内視鏡治療」

司会 阿部 展次(杏林大学医学部 消化器・一般外科)
後藤 修(日本医科大学 消化器内科学)

“ポストESD時代”とも称される昨今、治療内視鏡は管腔内から粘膜以深、筋層、さらには管腔外にまでそのフィールドを拡げつつある。ESDのテクニックを用いて深層の病変を切除するEFTR、粘膜切除後の瘢痕狭窄を意図的に利用したARMSおよびその進化系であるARMA、POEMのテクニックを用いて粘膜下腫瘍を核出するPOETや食道憩室を開窓するZ-POEMなど、従来の内視鏡治療手技の延長線上に次々と新しい手技が開発されている。また、管腔内治療手技のシーズとして考案された内視鏡的手縫い縫合法は、ESD後出血予防を目的とするのみならず、POEM後の内視鏡的噴門形成術をはじめ多種多様な手技への応用が期待されている。一方、海外ではバレット食道に対するRFAやcryoablation、管腔内縫合デバイスを用いたGERD治療や肥満手術が開発され、内視鏡を用いた低侵襲治療は各国の疾患背景に応じて独自の進化を遂げている。
本パネルディスカッションでは、消化管疾患に対する従来の枠を超えた新しい内視鏡治療について、本邦発・海外発にかかわらず、また動物実験・臨床例にかかわらず広く募集し、個々の手技について理解を深める場としたい。日本の内視鏡の将来を見据えた夢のあるディスカッションができればと考えている。

パネルディスカッション

「消化管内視鏡診断の現状と展望」

司会 平澤 俊明(がん研究会有明病院 上部消化管内科)
池松 弘朗(国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科)

消化管内視鏡診断は通常白色光観察、画像強調観察、拡大内視鏡観察、顕微内視鏡観察、断層イメージングなどの技術革新と臨床医のたゆまない努力によりこの半世紀で大きな進歩を遂げている。現在、スクリーニングから精査まで特にIEE、拡大内視鏡は一般的な内視鏡手技として広まりつつあり、病変の拾い上げ・質的診断・量的診断の精度向上に寄与している。しかし、その診断精度は施設間、術者間での差が大きいことも事実であり、内視鏡診断学が確立したとは言い難い。近年、人工知能(AI)を応用した内視鏡診断の研究が進んでおり、近未来の内視鏡診断の質の均てん化のツールとして有望視されている。また、新しい画像や機能診断等の新たなモダリティーの開発も報告されている。そこで、本セッションではモダリティー・対象臓器・疾病を限らず、現状の診断成績、AI・新たな画像による試み等幅広くご報告いただき、内視鏡診断の現状の問題点と将来展望について討論したい。

ビデオワークショップ

「消化管狭窄に対する治療の工夫」

司会 矢野 友規(国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科)
岩本 淳一(東京医科大学茨城医療センター 消化器内科)

消化管狭窄に対する内視鏡治療は、患者のQOLを損ねている深刻な症状を劇的に改善することができる手技である。消化管癌による悪性狭窄に対する治療である消化管ステント留置においては、合併症を減らすため工夫として逆流防止弁付きステントや細径ステントを用いた治療などが報告されている。一方、様々な原因による消化管良性狭窄に対する治療としては生分解性ステントなどの新しいタイプのステントやRadial Incision and Cutting(RIC)、食道アカラシアに対するPOEMなどの新しい内視鏡治療が開発され、その有効性が報告されている。また、主に広範な食道ESD後の消化管狭窄を予防するための工夫として、ステロイド局注や様々なシート製品の貼付など新しい内視鏡治療方法が開発され、その高い狭窄予防効果によってESDの適応も拡大しつつある。
本セッションでは、食道から大腸までの消化管狭窄に対する内視鏡を用いた治療や狭窄予防手技の動画を用いた発表について、日常臨床での工夫から動物実験段階の開発手技まで幅広い領域からの応募を期待する。

ビデオワークショップ

「胆膵内視鏡治療の工夫」

司会 入澤 篤志(獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座)
伊佐山 浩通(順天堂大学大学院医学研究科 消化器内科学)

胆膵内視鏡治療は日進月歩であり、適応する病態や使用するデバイスなどが目まぐるしく変化しているのが現状である。様々な状況で、効率良くかつ安全に手技を行わなければならない。そのためには、卓越した手技も必要であるが、手技、デバイスなどの工夫が不可欠と考える。特に、困難な状況を乗り越えるためには手にできるすべてのデバイス、知識、技術を総動員しなければならない。しかし、これらの状況におけるトラブルシューティングに関しては成書には書いてないのが現状である。本セッションでは多彩な手技において、成功率と効率性、安全性を向上させる手技とデバイスの工夫を発表していただきたい。また、困難な症例におけるトラブルシューティングに関しても情報を共有したい。また、手技のみならず、手技の前処置やフォローアップの方法などについても有用な情報があれば共有していただきたい。様々な手技、デバイスの工夫がビデオで見られる百花繚乱なセッションを期待している。

ビデオワークショップ

「消化管上皮性腫瘍に対する内視鏡治療の工夫とコツ」

司会 浦岡 俊夫(群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野)
小田島 慎也(帝京大学医学部 内科学講座)

現在消化管上皮性腫瘍に対する内視鏡治療は、従来から行われているポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を中心に本邦で広く普及している。しかし、各手技はその安全性や確実性を追求することで現在も進化を続けており、cold polypectomyやunderwater-EMRなどの開発・導入、医療機器・デバイスの改良やストラテジーの工夫などが行われている。
本ビデオワークショップでは、食道、胃、十二指腸、大腸の上皮性腫瘍に対するPDT、APCなどの内視鏡焼灼法やポリペクトミー、EMR、ESDなどの内視鏡切除法の工夫とコツについて募集する。発表当日は、安全性や確実性を追求した各施設の方法を動画で紹介いただきたい。各施設で施行されている内視治療のみならず、技術的困難性の高い病変への対処法、偶発症予防策、偶発症発症時のトラブルシューティング法、新規医療機器・デバイスの導入など、実臨床での工夫やコツについて幅広い積極的な演題応募を期待している。

ビデオワークショップ

「消化管出血に対する治療の工夫」

司会 小林 清典(北里大学医学部 新世紀医療開発センター)
加藤 元彦(慶應義塾大学医学部 内科科学教室)

日常診療において消化管出血は、比較的遭遇する機会が多い病態である。とくに本邦における高齢化の進行、併存疾患を有する患者および非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や抗血栓薬の服用者の増加などにより、薬剤起因性消化管粘膜障害や大腸憩室出血などが増加していると考える。またESDなどの内視鏡治療に関連した出血を認めることもある。消化管出血に対する治療としては、内視鏡的止血法が主として選択されるが、従来からのクリップ法やAPC法などに加え、ソフト凝固法が普及してきており、大腸憩室出血に対するバンド結紮術も使用できるようになった。さらに止血クリップや止血鉗子などの内視鏡処置具の改良や、出血部位の検出を狙った新規の画像強調内視鏡の実用化も進められている。
本ビデオワークショップでは、食道から大腸までの全消化管に発生する消化管出血を対象として、病態に応じた内視鏡的止血法の選択や止血手技の工夫、内視鏡治療の限界とIVRや外科手術のタイミング、併存疾患や抗血栓療法への対応などについて、動画をまじえて発表いただきたい。症例報告でも歓迎するので、明日からの実臨床に役立つ有意義なビデオワークショップになることを期待している。

みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ

「胆膵」

司会 中井 陽介(東京大学大学院医学系研究科 光学医療診療部)
土屋 貴愛(東京医科大学 消化器内科)
Discusser 岡野 直樹(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)

近年、胆膵内視鏡の分野では、新しいmodalityが開発され、胆膵疾患に対する内視鏡診療は急速な発展を遂げている。膵・胆道癌の早期診断・病理診断にはEUSが欠かせない存在となっており、胆道・膵管鏡および電気水圧衝撃波装置、ラジオ波焼灼術、あるいは様々な超音波内視鏡下治療等の登場により、困難例の克服を目指し診療が行われている。一方で、胆膵領域ではではどうしても目新しい治療に興味が向きがちで、本邦が誇る画像診断が近年疎かになっている感も否めない。各種画像診断、特にEUS画像はどこまで切除標本のマクロ像に迫る画が描出できるかが重要であり、その修練も怠ってはならない。本セッションでは、診断に難渋したが、診断根拠となるkey画像を提示できる症例や、新規あるいは工夫に富んだ内視鏡治療法での成功例など、選りすぐった「みんなに知っておいてほしい教訓的な症例」を提示していただきたい。これまでの症例検討セッションでのアンサーパッド形式でなく、教訓的な症例を共有・検討することで、多くの施設の胆膵内視鏡診療の更なる向上に繋がるセッションとしていきたい。

みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ

「小腸・大腸」

司会 穂苅 量太(防衛医科大学校 消化器内科)
大森 鉄平(東京女子医科大学病院 消化器内科)
Discusser 玉井 尚人(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)

下部消化管疾患の診断、モニタリング、治療において内視鏡が担う役割は大きい。近年は大腸内視鏡検査のみならず、バルーン小腸内視鏡やカプセル内視鏡もその有用性から日常診療に多く用いられるようになりつつある。このため目の前に現れた壁に対処を余儀なくされる機会も増えてきているのではないだろうか。前処置や検査中の鎮静、小腸であればいかに全小腸観察を達成するか、疾患活動性モニタリングとしての内視鏡観察、IBD症例に対する狭窄に対するバルーン拡張、内視鏡的腫瘍摘除など、多くの創意工夫や課題点があげられる。一方で自分自身が得られる経験は限られており、より多くの経験を共有することは重要である。今回は下部消化管疾患に関わる内視鏡検査に関連した工夫や、手技における成功に導いたポイント、また失敗例から得られた教訓的な経験を募集し明日から活用できる日常診療の糧を共有したい。本セッションを経験に対する後悔の場ではなく、経験の共有と発展的討論の場として活用してほしい。多くの演題の応募を期待する。

みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ

「胃・十二指腸」

司会 中島 寛隆(早期胃癌検診協会)
草野 央(日本大学 消化器内科)
Discusser 福澤 誠克(東京医科大学 消化器内科)

本セッションでは、日常診療で遭遇し、その経験や知識を共有したい胃・十二指腸症例の検討を行います。診断の基本となる症例、突然に遭遇し戸惑った症例、頻度が少なく珍しい症例、治療法の選択に迷った症例、独創的な工夫で診断や治療の難局を乗り越えた症例、治療に難渋した症例等、教訓に残る症例を募集します。腫瘍、非腫瘍、診断、治療等、テーマは問いません。1症例につき、発表10分+ディスカッション5分程度とし、4-5演題の発表を予定しています。多数の先生方の参加をお待ちしております。

みんなに知っておいてほしい教訓的な症例シリーズ

「食道」

司会 郷田 憲一(獨協医科大学病院 消化器内視鏡センター)
堅田 親利(北里大学医学部 消化器内科学)
Discusser 島村 勇人(昭和大学江東豊洲病院 消化器センター)

食道癌に対する内視鏡診断および内視鏡治療は日進月歩で研究・開発が進んでいる。内視鏡診断は画像強調法や拡大内視鏡観察などが日常臨床で実施されるようになり、表在癌の段階で発見される症例が増えている。また、内視鏡的粘膜下層剥離術と化学放射線療法の併用療法や光線力学的療法などの低侵襲な集学的治療が開発されている。患者の高齢化が進んでおり、治療侵襲に制限がある患者や多様な選択肢から低侵襲治療を希望する患者は増加している。外科切除も含めた様々な治療の適応の境界に相当する場合も少なくなく、診療する医療者側の応用力が問われるようになってきた。そこで本セッションでは、食道癌に対する集学的治療において、参加者の応用力を養えるような教訓的な症例を公募したい。