希望講演形式


第114回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

会長:永原 章仁(順天堂大学医学部 消化器内科 教授)
会期:2022年6月11日(土)・12日(日)
会場:シェーンバッハ・サボー(〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館内)

・主題(シンポジウム、パネルディスカッション、ビデオワークショップ、ワークショップ)
・一般演題、研修医セッション、専修医セッション(口演:公募)
消化器内視鏡に関する演題を広く募集いたします。
応募は「本学会および他の学会で未発表」で、「倫理規定に抵触しない」演題に限ります。
口演は全てコンピュータープレゼンテーションです。
演者数につきましては、主題:5名以内、一般演題、研修医セッション、専修医セッション:
21名以内としてください。

※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた5 演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

シンポジウム

H.pylori陰性時代の上部消化管疾患に対する内視鏡診療」

司会 貝瀬 満(日本医科大学消化器内科学/付属病院内視鏡センター)
河合 隆(東京医科大学 消化器内視鏡学分野)

H.pylori 感染率の低下と除菌治療の普及によりH.pylori 陰性患者が増加している。GERDやバレット食道、食道胃接合部炎症性ポリープなどの酸関連疾患の増加、さらには好酸球性食道炎・好酸球性胃炎の報告が多くなっている。H.pylori現感染から既感染、さらに除菌10年以上の患者も増加し、胃炎の京都分類による慢性胃炎の内視鏡所見において、地図状発赤が注目されるなどの変化が生じている。また近年自己免疫性胃炎も注目されている。一方PPIやNSAIDsによる薬剤起因性ポリープ・潰瘍の報告も多くなっている。 内視鏡診断に関しては、WLI観察からNBI、BLI、LCI、TXIなどの画像強調観察により各疾患の観察能向上、内視鏡治療ではGERD に対するARMS/ARMAが開発され、その有用性も報告されている。
H.pylori陰性時代の上部消化管疾患における非腫瘍性病変における内視鏡診断・治療に関してあらゆる方面から討議したい。

シンポジウム

「内視鏡診療におけるリスクマネージメントの現状と課題~COVID-19対策など、感染症リスクも含めて~」

司会 今枝 博之(埼玉医科大学 消化管内科)
山本 貴嗣(帝京大学医学部 消化器内科)
コメンテーター 中村 真一(東京女子医科大学 消化器内科学)

消化器領域において内視鏡診療の重要性が年々高まっている。画像技術の進歩を基礎に、ESDなど消化管腫瘍治療、胆道系疾患に対するERCP、EUSを用いたアプローチなどの診断、治療手技が診療の中心を占めている。その一方で、手技の侵襲性が高まる傾向にあり、重篤な偶発症を伴うことも少なくない。より安全かつ安心な内視鏡治療を実践するために、このような偶発症に対するリスクマネージメントが大変重要である。本シンポジウムでは、内視鏡診療におけるリスクマネージメントについて各ご施設の現状と課題をご発表いただき、参加者間で情報を共有しながらよりよい内視鏡診療を目指した議論を行いたい。
 また、昨今のCOVID-19の蔓延が内視鏡診療に与えた影響は大きく、どの施設でも診療の様子がCOVID-19以前とは様変わりしているものと推察される。ここでは本疾患への対策を含め、これからも内視鏡診療において大きな問題であり続けるであろう感染症対策についても各ご施設の取り組みや工夫をお示しいただき、今後の内視鏡診療における感染症対策について考える機会としたい。

シンポジウム

「安全で効果的なInterventional EUSを目指して」

司会 糸井 隆夫(東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野)
中井 陽介(東京大学医学部附属病院 光学医療診療部)
コメンテーター 木田 光広(北里大学医学部 消化器内科学)

Interventional EUSは、本邦でも2012年超音波内視鏡下瘻孔形成術として保険収載されてから10年が経過し、胆膵疾患を中心に内視鏡的治療の選択肢の一つとして日常臨床に広まりつつある。現在では単なるドレナージ手技にとどまらず、胆管結石に対する順行性治療や、Walled-off necrosisに対するネクロゼクトミーなど内視鏡治療のためのアクセス・ルートとして用いられるなど、その手技も多様化している。Interventional EUSに習熟した施設からは高い手技成功率が報告されている一方で、経消化管的な穿刺を伴う手技である特性から腹膜炎・出血などの重篤な偶発症のリスクは避けて通れない手技でもある。専用デバイスが少ないという課題は依然として残されているが、細径ガイドワイヤーや瘻孔拡張デバイス、ステントの改良などにより、手技の安全性・確実性は向上しつつある。本セッションでは、Interventional EUSのさらなる普及のために、安全かつ効果的な手技を目指した手技の工夫、偶発症対策から教育法、また導入初期の施設における成績、課題など様々な視点から、多くの演題の応募を期待したい。

パネルディスカッション

「消化管・胆膵ステントの新展開」

司会 伊佐山 浩通(順天堂大学大学院医学研究科 消化器内科学)
炭山 和毅(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)

消化器領域におけるステントの歴史は長く、1950年代には食道疾患に対するplastic stentの留置が試みられるようになった。消化管疾患に対しては、近年、悪性十二指腸狭窄や大腸悪性狭窄に対する様々なmetallic stentが開発され適応拡大や安全性の向上が進められている。胆膵領域においてはcovered stent等のmetallic stentの進歩と共にplastic stentの改良も進み、EUSガイド下治療の発展とも相まって、一層患者の病態に即したtailor made治療を提供することができるようになっている。しかし、選択肢が増えれば内視鏡医に求められる適応の判断は複雑化し、手技を均てん化することも難しい。また、化学・放射線療法、術前、良性狭窄など、病態によっても適応は異なり、ベストなStent selectionのためには広い知識が必要となっている。本パネルディスカッションでは、対象疾患を限定せず安全性の向上へ向けた各施設の工夫や新たなステント・手技の試みなどについて演題応募をいただき、パネル間で各手技のコスト面を含めた意義や課題を洗い出し消化器領域全般のステント治療についての新展開を模索したい。

パネルディスカッション

「炎症性腸疾患の診断・治療における内視鏡の役割」

司会 久松 理一(杏林大学医学部 消化器内科学)
穂苅 量太(防衛医科大学校 消化器内科)
コメンテーター 猿田 雅之(東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科)

炎症性腸疾患の診療はTreat to Target ストラテジーが提唱され、適切なモニタリングと治療強化によりtargetである内視鏡的寛解を達成することで長期予後改善を目標とする時代となった。また新しいバイオマーカーも登場し内視鏡と合わせてより質の高い診療が期待されている。一方で小腸病変の評価、カプセル内視鏡の位置付け、クローン病小腸狭窄病変の内視鏡的治療など課題も多い。本セッションでは診断、モニタリング、治療における内視鏡の役割について幅広く演題を募集し、活発なディスカッションを行いたい。

パネルディスカッション

「消化管出血の内視鏡診断・治療の進歩」

司会 田邉 聡(北里大学医学部 新世紀医療開発センター)
矢作 直久(慶應義塾大学医学部 腫瘍センター)
コメンテーター 溝上 裕士(新東京病院 健診部・消化器内科)

消化管出血は、日常診療でも比較的遭遇する機会の多い病態である。以前は急性胃粘膜病変や消化性潰瘍による出血が極めて多かったが、Helicobactor pyloriの除菌治療に伴い激減した。ところが抗血栓薬内服者が増加するとともに、それに伴う消化管出血が多くなるという時代変遷が見られている。一方で、内視鏡機器や技術の進歩により以前は不可能であった小腸にまでアプローチが可能になり、正確な診断や治療が可能になった。治療手技に関しても、送水機能付きの内視鏡が普及するとともに、様々な高周波止血処置具や新たなクリップ装置、止血用薬剤などが開発されているほか、出血点の視認性を向上させる新たな狭帯域光画像強調観察法も開発されて、治療し易い環境が整ってきている。これにより、以前とは異なり漫然と輸血を繰り返したり、いきなり緊急手術になる症例はほとんどなくなってきているが、抗血栓薬服用下では一旦止血が達成されたとしても再出血を繰り返すことも珍しくなく、新たな問題となっている。そこで本セッションでは、消化管全域にわたる消化管出血(非静脈瘤性)に対する内視鏡診断および治療についての現状と課題を明らかにし、どの様に対処すべきか議論したい。

パネルディスカッション

「消化管静脈瘤に対する、内視鏡診断と治療の現状と課題 ~薬物療法・IVR・外科治療の適応も踏まえて~」

司会 池嶋 健一(順天堂大学医学部 消化器内科)
日高 央(北里大学医学部 消化器内科学)
コメンテーター 國分 茂博(新百合ヶ丘総合病院 肝疾患低侵襲治療センタ―/内視鏡センター)

2020年に改訂された肝硬変診療ガイドラインにおいて、食道静脈瘤の再発予防に対しては、内視鏡硬化療法(EIS)と内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)の両治療法の推奨へと変更された。また盲目的な酸分泌抑制剤の投与は、腸内細菌叢への影響が懸念されるようになった。
一方、胃静脈瘤出血に対してはHistoacrylによる内視鏡的塞栓療法が主流であり、緊急止血術の第一選択になっている。胃穹隆部静脈瘤に対する待期・予防治療ではバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)も同ガイドラインに明記された。また肝硬変患者の長期予後が延長されるに従って、直腸静脈瘤や十二指腸静脈瘤さらには術後のストマ静脈瘤に対する治療法の確立が急がれている。本主題では、各施設の標準的な手技と治療成績を述べていただきたい。さらに巨大な静脈瘤、複雑な血行動態、合併症を有する例など治療困難が想定される症例に対する診断や内視鏡治療の工夫、IVRや外科手術への適応も論じて頂ければ幸いである。内視鏡診断と治療のポイント、工夫を中心に消化管静脈瘤に関する日常診療に役立つ話題を広く取り上げ討論したい。

ビデオワークショップ

「大腸腫瘍に対する内視鏡診断・治療の新展開(外科を含む)」

司会 冨木 裕一(順天堂大学医学部 大腸・肛門外科)
斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)
コメンテーター 浦岡 俊夫(群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野)

大腸内視鏡診断に関してはImage-enhanced endoscopy(IEE)において Texture and Color Enhancement Imaging (TXI)やLinked Color Imaging (LCI)といった新たなIEEが開発され、また通常観察から超拡大内視鏡診断までできる時代となっている。
JNET分類も普及しその臨床的活用法も均霑化されつつある一方、artificial intelligence (AI)が急速に開発されDetectionからCharacterization、超拡大診断までいくつかの製品が薬事承認され臨床使用可能となっている。また従来は良性と考えられていた過形成性ポリープにおいてもsessile serrated lesion (SSL)やsuperficially serrated adenoma (SuSA)など前がん病変とされる鋸歯状病変にも注目が集まっている。
治療に関してはトラクションデバイスやポケット法、トンネル法などの確立によりESDが急速に普及している一方、微小腺腫に対するCold snare polypectomyやUnder water EMRのなどの有用性も議論されている。
またESD困難例に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術や、直腸病変に対しては経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)やminimally invasive transanal surgery (MITAS)といった外科系手技がありESDとの棲み分けも議論したい。

一方、ESD/TEMを用いればpT1bに対しても技術的にはR0切除が可能であるが、リンパ節転移や再発のリスクを考慮すると外科手術や放射線化学療法が必要な病変が存在する。
本ビデオワークショップでは、診断から治療まで幅広いトピックに関して動画を用いて提示いただきたい。内科のみならず外科医からも積極的な演題を募集する。

ビデオワークショップ

「胆膵内視鏡手技の裏ワザとトラブルシューティング」

司会 入澤 篤志(獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座)
水出 雅文(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)
コメンテーター 岡野 直樹(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)

現在の胆膵内視鏡手技はERCP関連手技およびEUS関連手技(以下、ERCP/EUS関連手技)が存在し、その手技内容は多岐に渡る。また、胆膵内視鏡手技の実際では、困難難症例が少なからず存在し、手技中のトラブルを経験する。ERCP/EUS関連手技の困難やトラブルは、内視鏡挿入操作・胆管膵管への選択的挿管・乳頭処置(EST/EPBD/EPLBD等)・ステンティング・結石除去・術後再建腸管症例に対するバルーン内視鏡下ERCP・内視鏡的乳頭切除術、EUS観察・EUS-FNA・EUSガイド下ドレナージなど様々な場面で起こりうる。胆膵内視鏡エキスパートは、経験に基づいた様々なテクニックを用いて困難克服やトラブルへの対処をされているものと思われる。
本セッションでは、各施設における胆膵内視鏡手技の裏技やトラブルシューティングを動画にて提示していただきたい。胆膵内視鏡手技に関する引き出しを増やすことは重要であり、1例報告も歓迎する。胆膵内視鏡医として貴重な情報を共有し、日々の診療の一助になる機会としたい。多くの施設からの応募を期待する。

ビデオワークショップ

「上部消化管腫瘍に対する内視鏡・腹腔鏡を用いた新たなる診断や治療」

司会 藤崎 順子(がん研究会有明病院 消化器センター)
比企 直樹(北里大学医学部 上部消化管外科学)
コメンテーター 後藤田 卓志(日本大学医学部 内科学系 消化器肝臓内科学分野)

食道、胃癌、十二指腸癌、食道胃接合部癌を含む上部消化管腫瘍の治療において、切除方法や、切除範囲などのオプションは多岐にわたり、内視鏡または腹腔鏡、そして、内視鏡・腹腔鏡合同などの切除方法が適応別に選択される。また、診断方法もIEEを活用した範囲、深達度診断などの進歩が著しい。また、術中の内視鏡の有用性も高まっており、あらゆる意味で、外科と内科の垣根はなくなり連携の重要性が高まっている。本セッションは多様性に富む、上部消化管腫瘍に対する診断・治療の中からベストチョイスは何かという疑問に対して、さまざまなアプローチを紹介して頂きたい。それぞれのモダリティーの長所・短所についてもディスカッションしてゆきたい。

ワークショップ

「内視鏡を用いた病態探索~症状・形態・消化管運動・粘膜運動~」

司会 岩切 勝彦(日本医科大学 消化器内科学)
鈴木 孝良(東海大学医学部付属八王子病院 消化器内科)
コメンテーター 栗林 志行(群馬大学大学院医学系研究科 消化器・肝臓内科学分野)

食道運動障害、裂孔ヘルニア、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、腫瘍など様々な疾患病態や消化器症候について、上下部内視鏡検査、バーチャル内視鏡、生検組織から多くの情報が得られます。本セッションでは、消化器機能を内視鏡を用いて可視化し客観的に評価することをねらいにしております。古くて新しい話題である症状と内視鏡との関係、内視鏡を用いた形態、各種薬剤と内視鏡、消化管運動等の評価についての議論はその一助になると考えます。また、内視鏡機器の飛躍的な進歩により高解像拡大内視鏡や超音波内視鏡などによる微細な粘膜所見や血流の変化なども可視化できるようになり、機能にも通じる可能性がある粘膜の動きにも注目が集まっています。
病態探索における内視鏡の重要性がますます高まる中、消化器機能を可視化し的確に評価する上でのその役割と現時点での限界が明らかになることを期待します。幅広い領域の先生方からのご応募と活発なご討議をお待ちしております。