希望講演形式

第118回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

会長:良沢 昭銘(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 教授)
会期:2024年6月15日(土)・16日(日)
会場:シェーンバッハ・サボー(〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館内)

・主題
・一般演題、研修医セッション、専修医セッション(口演:公募)
消化器内視鏡に関する演題を広く募集いたします。
応募は「本学会および他の学会で未発表」で、「倫理規定に抵触しない」演題に限ります。
口演は全てコンピュータープレゼンテーションです。
演者数につきましては、主題:5名以内、一般演題、研修医セッション、専修医セッション:21名以内としてください。

※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた5演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

主題1

「上部消化管内視鏡診療における新たな展開」

司会 今枝 博之(埼玉医科大学 消化管内科)
藤城 光弘(東京大学大学院医学系研究科 器官病態内科学講座 消化器内科学分野)
統括発言 有馬 美和子(上尾中央総合病院 消化器内科)

上部消化管内視鏡診療は、これまで様々な進化・発展を遂げてきた。経鼻内視鏡の導入により、患者にやさしい上部消化管内視鏡が内視鏡検診として行われるようになり、拡大併用画像強調内視鏡の普及により腫瘍性病変の精緻な内視鏡診断が可能となった。また、ESDの普及により外科手術を凌駕する数の癌治療が内視鏡で行われ、進行癌に対する緩和治療の一環としてステント留置などの狭窄解除術も広く行われるようになった。近年では、非腫瘍性疾患に対する内視鏡治療として、従来からの内視鏡的止血術などに加え、内視鏡的筋層切開術や内視鏡的逆流防止粘膜切除術なども行われている。上部消化管領域における内視鏡診療の進歩には目覚ましいものがあり、診断においては人工知能や新たな画像強調内視鏡が開発され、治療においては内視鏡的全層切除や内視鏡的縫合術なども行われるようになっている。本主題では、従来の内視鏡診療に関するちょっとした工夫・改良から、新技術による内視鏡診療の刷新まで幅広く演題を募集し、上部消化管内視鏡診療における新たな展開を探ってみたい。

主題2

「ナイス・リカバリーショット症例集」

司会 入澤 篤志(獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座)
布袋屋 修(虎の門病院 消化器内科)
コメンテーター  田邉 聡(海老名総合病院 消化器内科)
炭山 和毅(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)
統括発言 山本 博徳(自治医科大学 内科学講座)

近年の内視鏡機器や処置具の進歩は目覚ましく、従来困難とされた病態に対しても、安全性と根治性を両立した内視鏡治療がなされるようになってきた。同時に、高度化・複雑化する手技の精度向上とともに、起こりうる偶発症への確実な対応も求められている。難易度の高い手技は重篤な偶発症と常に背中合わせであるが、通常検査や難易度の低い手技においても、超高齢化社会による様々な合併疾患の影響も関連して、予期せぬ偶発症に遭遇する危険性も増加している。本セッションでは、日常のスクリーニング検査からチャレンジングな消化管治療内視鏡、ERCP関連手技、EUS関連手技などの高難易度の手技において、偶発症を未然に防ぐことができた、あるいは偶発症の重篤化を防ぐことができた、「ナイスリカバリーショット症例」を広く募集する。可能なかぎり動画をまじえて発表していただき、その経験を共有することで、明日からの診療に直接役立つ実践的なセッションにしたい。1例報告も大歓迎である。

主題3

「ERCP関連手技の最前線」

司会 糸井 隆夫(東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野)
岩崎 栄典(慶應義塾医学部 内科学教室(消化器))
統括発言 五十嵐 良典(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)

ERCP関連手技に関連するデバイスと技術開発が進む中で、胆膵内視鏡施行時にはより有用で安全確実な処置のためにも最新の知識と経験のアップデートが必要である。最近ERCP関連手技の分野では、結石除去時のESTとEPBDを組み合わせた乳頭処置、新規結石除去デバイス、胆道ドレナージにおける様々な形状のプラスチックステント、新たな形状や機能を持つ金属ステント、悪性胆道腫瘍に対するRFA焼灼術、内視鏡的乳頭切除術における切除方法と合併症予防処置、新規ガイドワイヤの臨床応用などがトピックスとなっている。本セッションでは胆膵疾患の診断から治療まで各施設で取り組んでいる様々なERCP関連手技の成績、最新デバイスの有用性、治療成績を向上させるための工夫やコツ、偶発症の予防策やトラブルシューティングなど幅広く募集しその知識と経験を共有したい。多数の応募を期待する。

主題4

「IBD診療における内視鏡診断・治療の役割」

司会 大塚 和朗(東京医科歯科大学病院 光学医療診療部)
久松 理一(杏林大学医学部 消化器内科学)
統括発言 緒方 晴彦(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター/山王病院・山王メディカルセンター)

炎症性腸疾患の診療は診断・疾患活動性モニタリング・治療から成り立っている。この中で内視鏡は決定的な役割を果たしてきた。近年の課題として、カプセル内視鏡などの新たなモダリティの所見をどのように診断基準に組み入れるか、T2Tストラテジーにおいて内視鏡と他のモダリティやバイオマーカーをどのように使い分けるのか、未解決の問題であるクローン病小腸病変の評価基準をどうするか、クローン病小腸狭窄病変に対するバルーン拡張術の最適なプロトコールとは、潰瘍性大腸炎関連大腸癌の診断と治療、そしてIBD内視鏡へのAI導入などが挙げられる。本セッションではこれらを含めたIBD診療全領域における内視鏡の役割や未解決の課題を明らかにする演題を募集する。

主題5

「消化器内視鏡教育・トレーニングの実際」

司会 草野 央(北里大学医学部 消化器内科学)
木暮 宏史(日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野)
統括発言 永尾 重昭(公立昭和病院 予防・健診センター)

消化器内視鏡の消化器疾患の診断・治療における役割は非常に大きく、高度な技能や知識が求められるようになっている。トレーニングの過程で診断の質をいかに担保し安全かつ確実に治療を遂行するかは重要な課題である。近年、内視鏡トレーニング用のファントムモデルやシミュレータの導入により基本操作の習得はしやすくなり、ESDやInterventional EUSといった高度な内視鏡手技に関するトレーニングモデルも開発され、学会等でのハンズオントレーニングの機会も増えてきたが、これらのモデルやシミュレータの導入にはコストの課題があり、広く普及しているとは言い難い。治療手技によっては、術者だけでなく助手の役割も重要であり、その教育も必要不可欠である。手技そのものだけでなく、病態の理解に基づいた治療の適応なども含めた教育も大事である。このセッションでは、消化管内視鏡、胆膵内視鏡を問わず、基本から高難度の診断・治療手技に至るまで、各施設での実践的な内視鏡教育・トレーニングの方法や工夫を共有する場としたい。指導医だけでなくトレイニーの視点からのトレーニング法の有用性や課題についても積極的にご応募いただきたい。

主題6

「下部消化管内視鏡診療における新たな展開」

司会 松田 尚久(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)
三澤 将史(昭和大学横浜市北部病院 消化器センター)
統括発言 斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)

近年、下部消化管内視鏡領域では新たなモダリティや治療法の登場により目まぐるしく変わりつつある。例えば新たな画像強調観察法であるTXI/LCIや、超拡大内視鏡、人工知能(AI)が臨床導入されており、その有用性が検証されている。治療法に関してはcold polypectomyや浸水下での内視鏡切除、牽引法などのESDの工夫、吸収性局所止血材などが徐々に臨床に浸透しつつある。しかしながら、これらの近年導入されたモダリティ・治療法はその有用性・安全性が十分に検証されつくしているとはいいがたい。そこで本セッションでは、大腸病変に対する診断や治療法に関するテーマを幅広く取り上げたい。また未解決の課題、例えば質的・量的診断精度、SSLの取り扱い、内視鏡切除困難例への対処法、T1癌のリンパ節転移リスク因子の検討なども広く取り上げることによって、「新たな展開」を見出すようにディスカッションを深めたい。

主題7

「EUS関連手技の最前線」

司会 中井 陽介(東京大学医学部附属病院 光学医療診療部)
肱岡 範(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
統括発言 木田 光広(北里大学医学部 消化器内科学)

超音波内視鏡(EUS)は診断学の向上への寄与のみならず、様々な治療へも応用され、ERCPとともに、今や胆膵診療において欠かせないツールとなっている。診断においては、EUSを用いた各種画像診断基準の改定、EUS Shear Wave Elastographyなどの新たな診断技術を用いた診断法、EUS-FNAを用いた胆膵癌の組織診断や遺伝子パネル診断や、近年では、肝疾患に対しても内視鏡的に総合的に評価するEndo-hepatology という概念も拡がり、その中で、肝疾患に対してもEUS- FNAが試みられている。また、治療に関しては、EUS薬剤注入や胆道、膵管、膿瘍、腸管などに対するドレナージも盛んに行われており、EUS専用のデバイスの開発も進んでいる。本セッションでは、EUS関連手技について各施設におけるup to dateなテーマでご発表頂き、将来展望を見据えた活発な議論を期待したい。消化管・肝臓・胆膵の多方面の領域からの演題応募を期待している。

主題8

「消化管出血に対する内視鏡診療の進歩」

司会 永原 章仁(順天堂大学医学部 消化器内科)
浦岡 俊夫(群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野)
コメンテーター 國分 茂博(新百合ヶ丘総合病院 肝疾患低侵襲治療センタ―/内視鏡センター)

内視鏡機器および技術の進歩により、消化管出血症例へのマネージメントにおいて内視鏡は欠かすことができない存在となった。近年では、小腸を含めた全消化管の検索が可能になったこと、出血点の同定に適した画像強調内視鏡やgel immersion endoscopyのような新たな技術の開発や手技の工夫などの報告が増えている。また、内視鏡的止血法として熱凝固法や機械的把持法以外にもペプチド由来吸収性局所止血材のような新しい止血材が臨床導入されてきている。一方で、いまだに内視鏡的な出血点同定や止血に難渋する症例も認められ、適切な内視鏡実施のタイミングや周術期管理も検討が続けられている。
本セッションでは、全消化管出血(内視鏡的切除後出血や静脈瘤性出血を含む)の診断と治療に関して、各施設内で定型化したものや新たな工夫や取り組みについて参加者同士で共有・討論し、消化管出血に対する内視鏡診療のさらなる発展につなげたいと考えている。

主題9

「低侵襲内視鏡治療における内科と外科のコラボレーション」

司会 阿部 展次(杏林大学医学部 消化器・一般外科学)
後藤田 卓志(日本大学医学部 内科学系 消化器肝臓内科学分野)
統括発言 貝瀬 満(日本医科大学 消化器内科学/付属病院 内視鏡センター)

腹腔鏡と内視鏡を用いたより低侵襲な局所切除手術法であるLECSは、提唱者の意図を超えて内科と外科のコラボレーションという、より大きな概念に進化・変貌してきた。狭く十分な視野がとれない咽頭喉頭領域や肛門領域、食道や大腸病変にも応用され、外科系諸科(消化器外科医や耳鼻科医、皮膚科医など)と内視鏡医のコラボレーション手術には今や多彩なベクトルが見られるようになった。また、高齢化する癌患者に対して、低侵襲と臓器温存は重要なキーワードであり、このようなコラボレーション戦略は癌の治療に向かっていく可能性もある。本セッションでは、Customer needsとしての低侵襲内視鏡治療の現状の総括、さらには臨床応用が実現していないアイデアレベルでも学会員と広く議論し、実現の可能性を探りたいと考えている。

JGES-Kanto Cup

司会 加藤 元彦(慶應義塾大学医学部 内視鏡センター)
水出 雅文(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)
評価者 藤崎 順子(がん研究会有明病院 消化器センター)
伊佐山 浩通(順天堂大学大学院医学研究科 消化器内科学)
猿田 雅之(東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科)

 内視鏡は学問である同時に診療のための道具、武器であり、われわれ内視鏡医は常にその腕を磨き、知識をupdateすることで患者さんに対して質の高い医療を提供することができます。
 第118回日本消化器内視鏡学会関東支部例会でも、名物企画のJGES-Kanto Cupを開催します。われこそはという内視鏡医に技術を披露していただき、多くの先生方と内視鏡技術を共有したいと考えています。基本的な手技から高難度治療、偶発症予防の工夫、トラブルシューティングなど、実際の内視鏡手技のビデオを領域問わず広く募集します。手技の要約を抄録として提出していただき、演題の採択を決定いたします。
 例会当日は、5分以内にまとめたビデオとともに、1分程度の自己紹介のスライドをご用意いただきたいと思います。当日は症例の新規性に加えて、自己紹介の面白さ、プレゼンの素晴らしさの3点について審査委員による採点を行いますので、プレゼンによっては十分入賞の可能性がございますので「High volume centerではないから、ハードルが高いな」という心配はご無用です。3位までの発表には、表彰、トロフィー、賞金の授与を行いますので皆様、奮ってご応募下さい。
(応募資格)
1. 発表内容は本学会および国内の他の学会でも未発表であること
2. 倫理規定に抵触しないこと
3. 同一の所属から複数の先生が応募することはできません