会長挨拶

第122回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会
会長 阿部 展次

(杏林大学医学部 消化器・一般外科学)
事務局長 竹内 弘久
(杏林大学医学部 消化器・一般外科学)
会長 阿部 展次

 この度、第122回関東支部例会の会長を拝命いたしました。会長にご推挙いただいた先生方、多大なるご尽力を賜りますアドバイザリーの先生方、プログラム委員の先生方、そして会長就任をお認めいただいた関東支部会員の皆様に心より御礼申し上げます。

 思えば支部例会は、先代の教授である杉山政則先生が15年前に主催し、私が事務局長を務めました。当時の資料を見てみますと、プログラム委員は11名、アドバイザリーなし、主題も7つ、とこじんまり感があり、主題の内容も現在からみるとすでにレトロ感を感じるものばかりでした。翻って言えば、現在の内視鏡診療は飛躍的に広範囲となり、あらゆる領域でエキスパートは飛躍的に増え、総じて内視鏡診療レベルは15年前に比べて飛躍的に進化した、ということではないでしょうか。このような会の会長を勤めさせていただくこと、改めて光栄に存じます。

 さて、今回の支部例会のテーマは、「内視鏡医学における真善美の探求」といたしました。「真善美の探求」は杏林大学の建学の精神そのものでございます。「真善美」とは、認識上の真、倫理上の善、審美上の美を指す言葉で、人間の理想とする価値観を表します。具体的には、真理・知識の探求、道徳的かつ他者を思いやる行為、そして美的な感覚・調和を意味します。つまり、「真善美」は医師が備えるべきscience、humanity、artを指すとも言えます。本会では内視鏡医学における「真善美」を様々な領域で探求していければいい、そんな思いを込めてこれをテーマといたしました。

 さらにもう一点、本会で目指すものがございます。昨今、内科も外科も細分化・専門化はより顕著になっております。しかし、内科医であっても、外科医であっても、お互いの領域において知るべき事は知っている、そして患者さんのために多くの引き出しを持ち合わせ、それを提案あるいは提供できる医師が良い「消化器医gastroenterologist」であると私は考えています。時代に逆行しているかもしれないその方向性は、今の時代だからこそ逆に重要と考えています。そのような観点から、本会では極力、外科医にもご活躍いただき、双方の領域でも知識の共有、議論ができるような会になることを目指したいと考えています。

 最後に重ねてではありますが、本会の開催に際し、多くの皆様方にご支援ご協力を賜りますこと心から感謝申し上げ、本会の成功と日本消化器内視鏡学会関東支部の発展を切に願いまして開催のご挨拶とさせていただきます。