希望講演形式
第122回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ
会長:阿部 展次(杏林大学医学部 消化器・一般外科)
会期:2026年6月13日(土)・14日(日)
会場:シェーンバッハ・サボー(〒102-0093 東京都千代田区平河町 2-7-5 砂防会館内)
テーマ:内視鏡医学における真善美の探究
・特別企画
・主題
・一般演題、研修医セッション、専攻医セッション(口演:公募)
消化器内視鏡に関する演題を広く募集いたします。
応募は「本学会および他の学会で未発表」で、「倫理規定に抵触しない」演題に限ります。
口演は全てコンピュータープレゼンテーションです。
演者数につきましては、主題:5名以内、一般演題、研修医セッション、専攻医セッション:21名以内としてください。
※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専攻医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた6演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として5万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専攻医』を選択し、登録してください。
特別企画
「Road to 開業:内視鏡技術をどのようにクリニック診療に活かすか?」
司会 やまぐち内科眼科クリニック/杏林大学医学部 消化器内科学 山口 康晴
濱中めいようクリニック 濱中 久尚
基調講演 消化器と診断・治療内視鏡クリニック 菊池 大輔
開業医はそれぞれ異なるスタイルで診療を行っている。内視鏡専門クリニック、かかりつけ医型として地域医療に内視鏡検査を組み込む形態、あるいは限られた設備を工夫して継承する医院など、その姿は多様である。しかし、高次機能病院で培った高度な技術や豊富な経験を地域クリニックでそのまま再現することは容易ではない。だからこそ“ないなら工夫”“あるものは活用”する現場には、一人ひとり異なる多彩な「応用の知恵」が存在する。本特別企画では、専門施設で得た知識や診療姿勢をいかに地域で活かしているか、開業医ならではの工夫や取り組みを共有し、内視鏡診療の質の向上と地域医療の発展につなげることを目的とする。具体的には、①専門施設で習得した手技・診断法の維持とブラッシュアップ、②最新機器・新技術導入の工夫と課題、③患者満足と信頼を得る取り組み、④高次機能病院や医師会との連携の実際、⑤開業を志す勤務医のビジョンと準備、などを募集テーマとする。現場での経験談や成果、試行錯誤を率直に共有し、明日からの診療に役立つ「実践知」を集めたい。勤務医からの提案型発表も歓迎し、多様な視点からの応募を期待している。
関東消化器内視鏡技師会コラボセッション
「One Teamで創る内視鏡医療 ―多職種で共有する知識と現場からの提言―」
司会 がん研有明病院 下部消化管内科 千野 晶子
原町赤十字病院/ 群馬県内視鏡技師会長 関 美喜男
本セッションは内視鏡医療および業務に携わる医師や内視鏡技師だけでなく、看護師や臨床検査技師、臨床工学技士、放射線技師、薬剤師、さらに委託業務も含め内視鏡診療に従事される方々を対象としたコラボセッションとして企画されました。近年、内視鏡診療の安全性や精度管理、機器運用、感染対策、薬剤管理などは多職種の協働により支えられており、それぞれの立場から問題意識を共有することは極めて重要です。本セッションが日常業務の改善につながる知見の集積と、実践的課題の抽出・提言の場となることを期待しております。皆様のご専門性に基づいた積極的な演題応募を心よりお待ち申し上げます。
主題1
「咽頭・食道領域の内視鏡診療の問題点と解決法」
司会 東京科学大学病院 食道外科 川田 研郎
国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科 矢野 友規
咽頭・食道領域では、画像強調内視鏡の進歩によって表在癌が多く発見されるようになり、内視鏡診療の重要性が認識されている。この領域では、ハイリスク患者の系統的スクリーニング、内視鏡治療、治療後のサーベイランスいずれの場面においても消化器内科と耳鼻科・頭頸部外科の連携が重要である。頭頸部表在癌に対するESD・ELPSや食道表在癌に対するESDの機会が増加する一方で、診断においては病変の見落としや深達度・範囲診断精度など、また治療においては高度狭窄などの偶発症への対応や治療後の異時性多発、瘢痕上の局所再発、転移再発など様々な問題にも遭遇する。本セッションでは、咽頭・食道領域における内視鏡診療における臨床的問題点やそれらを解決するための工夫や診断・治療精度の向上、診療科を跨いだ連携や新しい取り組みなどについて幅広くに演題を募集する。
主題2
「IBD―内視鏡診療と外科診療の最前線―」
司会 東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 猿田 雅之
柳川ビルクリニック 小金井一隆
総括発言 杏林大学医学部 消化器内科学 久松 理一
潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)に代表される炎症性腸疾患(IBD)に各種分子標的薬が認可されてから治療成績は劇的に向上したが、未だ完治せず内視鏡検査による診断と適切なモニタリングは不可欠である。さらにモニタリング方法には、血液や便、尿検体を用いたバイオマーカーも登場し、内視鏡検査との組み合わせや一部代替えとしての有用性が示されている。
一方で長期経過例の増加に伴いUCではUC関連腫瘍(UCAN)が増加し、そのDysplasia診断には拡大内視鏡検査や特殊光内視鏡検査、AIを駆使した検査も登場している。治療は基本手術であるが、Lowgradeや一部High gradeにESDも行われており、その是非は現在議論されている。CDでは、小腸や肛門病変に対する分子標的薬の成績は不十分で、狭窄や瘻孔に進展し手術となることも多い。適正な評価には、定期的な内視鏡検査やMRI検査が望まれるが、侵襲や手間から完璧には実施できていないことが多い。
そこで、IBD診療における内視鏡検査、適切なモニタリングやサーベイランス法、さらに手術を含めた各種治療法とその適応について、各施設の取り組みをご発表頂きたい。
主題3
「内視鏡的創閉鎖―現状と将来展望―」
司会 杏林大学医学部 消化器・一般外科学 竹内 弘久
東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座 炭山 和毅
総括発言 昭和医科大学江東豊洲病院 消化器センター 井上 晴洋
消化管の表在腫瘍に対するESDの先にある克服・確立すべき手技の1つに、EFTRや内視鏡的創閉鎖がある。EFTRを完遂するには、胃壁全層欠損部に対する確実な創閉鎖が不可欠である。現在、内視鏡的創閉鎖法には、閉鎖したい相対する創(端)縁を1つの閉鎖器具で噛み込んで合わせる汎用クリップ・OTSC、SutuArtを用いたEHS(endoscopic hand suturing)などによる「縫合閉鎖」と留置スネアによって創縁全周を巾着様に寄せ合わせる「密着閉鎖」、さらには、密着閉鎖とその後クリップを用いて縫合閉鎖を併用したROLM(Reopenable clip-over-the-line method)法、Loop9法、E-LOC(Endoscopic Ligation with O-Ring Closure)法などの「密着閉鎖+縫合閉鎖」が行われている。今後、簡易で確実な内視鏡的創閉鎖法が確立されれば、EFTRのみならずESDの偶発症に対する予防的処置や様々なトラブルシューティングにも応用でき、内視鏡診療の安全性もさらに向上することが期待される。本セッションでは、各施設における創閉鎖手技の現状や工夫、デバイスの開発等による新たな閉鎖法の試みなどについて発表いただき議論していきたい。
主題4
「進化・拡大している!―内科と外科のコラボレーション手術」
司会 慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科 川久保博文
虎の門病院 消化器内科 布袋屋 修
総括発言 北里大学医学部 上部消化管 外科 比企 直樹
腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopic endoscopic cooperative surgery; LECS)は管腔内内視鏡と腹腔鏡下手技の協力作業(collaboration/cooperation)による胃粘膜下腫瘍に対する胃局所切除術として開発され、その後LECS関連手技として様々な胃局所切除術の亜型も開発され進化してきた。そして、臓器は胃だけにとどまらず、LECSのコンセプトは食道や十二指腸、大腸に至るまで様々な消化管病変切除術に応用されるようになり、多くの知見も集積されてきた。さらに現在では、頭頸部外科、耳鼻咽喉科、婦人科、皮膚科など、消化管以外の領域でも、内視鏡と外科手技の融合による診断・治療が実施され、新たな戦略として注目されている。本セッションでは、こうした進化と拡大を遂げてきた内科と外科のコラボレーションにつき、臓器や診療科の枠を超えた演題を幅広く募集し、先進的な取り組みや、新たな工夫、今後の展望を共有することで、内視鏡医と外科医のより深い連携を目指した活発なディスカッションの場となることを期待する。Key words;頭頸部外科、TECS、LECS、EROPP、婦人科、皮膚科
主題5
「Up-to-Date 消化管深達度診断」
司会 東京大学大学院医学系研究科 器官病態内科学講座 消化器内科学分野 藤城 光弘
群馬大学医学部附属病院 光学医療診療部 竹内 洋司
基調講演 杏林大学医学部 放射線医学教室/野村病院 診療部画像診断部門 仲村 明恒
総括発言 東京医科大学 健診予防医学センター 河合 隆
消化管腫瘍の深達度診断は治療方針決定に直結する重要な課題である。EUS(超音波内視鏡)、IEE(画像強調内視鏡)、拡大内視鏡、AI(人工知能)などの技術進歩により診断精度は飛躍的に向上しているものの、術前に100%の深達度診断を可能にする技術は未だ確立されていない。本セッションでは、社会実装されている技術による最新研究成果に加え、芽生え期にある前臨床研究も取り上げ、学会員とともに診断の最前線を検討したいと考えている。多くの学会員からの積極的な演題応募を心より期待している。
主題6
「消化管ESD「もう一工夫!」」
司会 NTT 東日本関東病院 消化管内科 大圃 研
聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 前畑 忠輝
消化管ESDは早期癌に対する標準的低侵襲治療として普及していますが、一方で穿孔リスクの高い線維化を伴う病変や、アプローチが困難な部位、あるいは長時間を要する症例など、依然として克服すべき課題が存在します。本セッションでは、こうした課題を乗り越えるための、各施設で実践されている独創的なアイデア(例えば、トラクション法の改良、UnderwaterESDの新たな応用、高周波装置の最適な設定、治療戦略に応じたスコープ選択、新規デバイスなど)を共有し、術中の手技のみならず、術前の周到な準備、術後の緻密な管理、そして医療チーム全体の連携といった視点も含めて、現場の創意工夫を幅広く共有いただき、日々の臨床に新たな発想をもたらす100分となることを期待しています。
主題7
「Interventional EUS 最前線」
司会 埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科 良沢 昭銘
東邦大学医療センター大森病院 消化器内科 消化器病センター内科 岡野 直樹
総括発言 獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 入澤 篤志
近年、胆膵領域では超音波内視鏡を用いた診断および治療(Interventional EUS)の発展が目覚ましい。Interventional EUSは診断のみならず、EUS-BD、EUS-PD、EUS-GBD、WONや肝膿瘍、肝嚢胞に対するドレナージ術など多岐に渡る。また、最近ではEUS下で作成したルート(ESCR)を介して様々な治療への応用が試みられている。一方で手技の標準化はなされておらず、今まで経験したことがないトラブルに遭遇するケースもある。本セッションではEUSを用いた診断・治療の最前線として、各施設でのデバイスの選択や手技の工夫およびトラブルシューティングなど、可能な限りビデオを用いて発表していただきたい。今後のInterventinal EUSの発展に貢献できる実りあるセッションにしたいと思います。
主題8
「AI がもたらすもの―現状と将来展望―」
司会 がん研有明病院 消化器内科 平澤 俊明
昭和医科大学横浜市北部病院 消化器センター 三澤 将史
基調講演 昭和医科大学横浜市北部病院 消化器センター 三澤 将史
総括発言 国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 斎藤 豊
消化器内視鏡領域において、CADeやCADxを中心に、AIの実臨床への導入が進んでいる。大腸内視鏡における腫瘍検出率向上など、その有用性は実証されつつあり、上部消化管内視鏡でも実臨床での活用が始まった。さらにはChatGPTに代表される生成AIも急激な進歩を遂げ、我々の研究や臨床においてもその役割の比重が増している。本セッションでは、薬機法承認の有無を問わず、CADe/x、病理診断、レポート自動生成、画像解析など、内視鏡診療を取り巻くAI技術全般だけでなく、生成AIの臨床・研究への応用なども含め幅広く演題を募集する。現状の成果と課題を共有し、AIが切り拓く消化器内視鏡の未来像を議論したい。各施設での先進的な取り組みや萌芽的な研究についても積極的な応募を期待している。
主題9
「十二指腸内視鏡治療(乳頭切除含む)の最前線」
司会 日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野 木暮 宏史
慶應義塾大学医学部 内視鏡センター 加藤 元彦
総括発言 自治医科大学 富士フイルムメディカル国際光学医療講座 山本 博徳
十二指腸は臓器の解剖学的特徴から内視鏡切除の難易度が高いとされてきたが、切除法の工夫や創閉鎖法の進歩により成績は着実に向上し、実臨床においても普及しつつある。一方、乳頭近傍および乳頭部の病変や大型病変では、膵液・胆汁の曝露に伴う遅発性出血・穿孔や膵炎などの偶発症リスクが高く、依然として治療は困難である。こうした高難度症例の治療にあたっては、単に治療手技のみならずトラブルシューティングも念頭に置き、消化管、胆膵内視鏡医、IVR医、外科医の協働のもと十分な体制で治療に臨むことが重要である。本セッションでは、消化管と胆膵の両面から幅広く演題を募ることで、乳頭部腫瘍を含む十二指腸腫瘍に対する安全かつ確実な内視鏡治療について、活発な議論を深めたい。地方会の特性を踏まえ、症例報告や少数例の発表も歓迎する。
主題10
「伝承したい消化管内視鏡検査のTips」
司会 東京都立多摩総合医療センター 消化器内科 吉永 繁高
医療法人社団 村田会 ムラタ胃腸内視鏡クリニック 村田 聡
消化管内視鏡検査は消化管疾患の診断のための基本的な検査法であるが、ただ内視鏡を挿入し、観察すれば良いのでは無く、被験者の苦痛を最小限にしつつ、かつ見逃しの無い有効な検査を行わなければならない。しかしながら、「こうしなければならない」という唯一無二の方法というのは存在せず、いまだに解明されていない点が多い。上部消化管内視鏡検査に関しては咽頭麻酔の方法、鎮静法、食道入口部や十二指腸下行部への挿入、効率的な観察手順など議論に尽きない。下部消化管内視鏡検査に関しては機種の選定から鎮静法、特に挿入法は長年議論されているが、若手のみならず、経験者であっても悩むことは多い問題である。本セッションではエビデンスのあるものから、こうすると良いといったちょっとしたコツなど明日の診療にすぐ活用できるようなTips を紹介していただきたい。
主題11
「消化管・肝胆膵手術後合併症:内視鏡による起死回生の一手」
司会 東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野 糸井 隆夫
昭和医科大学江東豊洲病院 消化器センター 消化器外科 横山 登
術後出血・縫合不全・胆汁漏・感染性合併症などの消化管・肝胆膵疾患における術後合併症は完全に防ぐことは困難であり、こうした症例に対して内視鏡的介入が果たす役割は極めて大きい。本セッションでは術後合併症による困難症例に対する内視鏡による起死回生の一手を供覧していただき、外科・内科の垣根を超えた知見を共有し、より安全で効果的な治療戦略の構築を目指したい。1例報告も大いに歓迎するが可能な限り動画を供覧していただきたい。多くの演題応募を期待する。
JGES-Kanto Cup
司会 獨協医科大学病院 消化器内視鏡センター 郷田 憲一
北里大学医学部 消化器内科学 草野 央
第122回日本消化器内視鏡学会関東支部例会では、恒例のJGES-Kanto Cupを開催いたします。
基本的な手技から高難度治療、偶発症予防の工夫、トラブルシューティングまで、領域を問わず内視鏡手技のビデオを広く募集いたします。
応募の際は手技の要約を抄録として提出していただき、それをもとに演題の採択を決定いたします。40歳以下の若手医師を中心に、できるだけ自身が術者として実施した症例のご応募をお願いいたします。
術者以外が応募する場合は、術者本人が必ず当日出席し、手技の詳細についての質疑応答に対応できるようにしてください。
例会当日は、5分以内のビデオと1分程度の自己紹介スライドをご準備いただきます。
審査委員は、症例の新規性・インパクト・手技の独創性に加え、自己紹介の魅力やプレゼンテーションの質について総合的に評価いたします。そのため、日常的な症例であっても、魅力的なプレゼンテーションにより入賞のチャンスがございます。
上位3名には表彰状、トロフィー、および賞金を授与いたしますので、皆様のご応募を心よりお待ちしております。
応募資格:
1. 発表内容が本学会および国内の他学会で未発表であること
2. 倫理規定を遵守していること
3. 同一施設からは1名のみの応募とすること