会長挨拶

第102回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会の開催にあたって

第102回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会
会長 貝瀬 満

(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 消化器内科 部長)

~ 安全で確実な内視鏡医療の実践に向けて ~

このたび、第102回日本消化器内視鏡学会関東支部例会を2016年6月11日(土)、12日(日)の2日間にわたり、東京都千代田区平河町の砂防会館別館シェーンバッハ・サボーにて開催することとなりました。伝統ある本学術集会のお世話をさせていただくことを大変光栄に存じております。

近年、多くの新規機器・手技の開発によって内視鏡診断・治療はより高度で複雑なものとなり、内視鏡診療のリスクも増大しています。内視鏡に従事する者にとって、「安全で確実な内視鏡医療の実践」はますます重要となっており、この課題を本集会のメインテーマに据えました。日常内視鏡診療の中心である「上部消化管スクリーニング内視鏡」「大腸内視鏡スクリーニング内視鏡と大腸ポリープ切除」、advanced endoscopyである「ESD」「膵胆道内視鏡」を確実かつ安全に行うにはどうしたらよいのかをテーマとしてシンポジウム・ワークショップを設定しました。更に安全な運用するための様々な工夫を共有できるよう「内視鏡診療におけるリスクマネージメント」をパネルで論議することとしました。

一方で進歩の著しい消化器内視鏡診断・治療の最前線について勉強し、論議することも本会の重要な目的です。日本消化器内視鏡学会の田尻久雄理事長には「消化器内視鏡の現状からみた未来の可能性―さらなる飛躍のためにー」という特別講演で、世界の内視鏡の動向も含め未来に向けたお話を賜ります。また、各分野の最前線について、「画像強調内視鏡」「消化器内視鏡治療における外科と内科のコラボレーション」「表在型食道がんの内視鏡診断と治療」「小腸・大腸非腫瘍性疾患における内視鏡の活用」といったセッションを設定ました。

支部例会は、これからの内視鏡診療を担う若手の教育と学会の登竜門という重要な意義もあります。内視鏡技術のトレーニングの場として、大腸モデルによる大腸挿入法、切除胃を用いたESD手技、シミュレーターを利用したERCP/EUSのハンズオンを行います。症例検討セッションでは、各分野のエキスパートの先生を司会に据えて、アンサーパッドを用いながら有意義なディスカッションができるよう準備しております。また研修医・専修医セッションの中から優秀演題を選び、多くの学会員の前での表彰を予定しており、奨励金(3万円)と翌年春の内視鏡学会本会への出席のための費用(参加費、交通費、宿泊費2泊以内)を授与します。

初日の夕方にはサテライトセミナー、学会両日にランチョンセミナーを複数予定していますので、多くの学会員、研修医・専修医の先生方に是非ご参集いただき、消化器内視鏡について楽しく勉強し、議論していただきたいと存じます。多数の先生方の演題ご応募、ご参加を心よりお願い申し上げます。