会長挨拶

第107回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会の開催にあたって

第107回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会
会長 山本 博徳

(自治医科大学 消化器内科)
会長 山本 博徳

~安全で確実な内視鏡診療の実践と効率的教育を目指して~

 この度、第107回日本消化器内視鏡学会関東支部例会を2018年12月15日(土)、16日(日)の2日間にわたり砂防会館別館のシェーンバッハ・サボーにて開催させていただくこととなりました。当番会長を務めさせていただきます自治医科大学の山本博徳です。

 近年の消化器内視鏡の分野は進歩発展がめざましく、超拡大内視鏡やAIを活用した新規内視鏡機器、POEMやEUS-BDといった新規治療手技が登場し、多くの内視鏡医の関心が集まっています。このような発展は歓迎すべきことではありますが、同時に基本的な診断学や治療手技は重要であり、正しく確実に若い世代に引き継いでいく必要があると感じています。

 今回の支部例会では「ヘリコバクター・ピロリ陰性時代の消化器内視鏡」「炎症性腸疾患診療における内視鏡の役割」「小腸疾患に対する効率的アプローチ」「内視鏡診療におけるリスクマネジメント・周術期管理」「膵充実性腫瘍に対するEUSの現状」をシンポジウム・パネルディスカッションの主題テーマとしてあげました。各分野で近年課題として取り上げられている内容について、支部例会ならではのより率直で実践的な深い議論ができればと考えております。特別講演は、岩手医科大学の松本主之先生にお願いいたしました。若手臨床医・研究医を鼓舞するようなご講演をいただけると思っております。

 また、今回はより実践的な内容に注力し、ビデオセッションには5テーマ用意させていただきました。直接動画を見ることで手技の理解を深め、内視鏡診療に活用していただきたいと考えています。症例検討セッションでは、上部・小腸・下部・胆膵の4分野用意し、アンサーパッドで参加しながら議論できる企画としました。ハンズオントレーニングでは、ESDの新しいストラテジーであるPCM(Pocket creation method)、大腸の挿入困難例にも対応できるDBC(double balloon colonoscopy)、EUS-FNAをご用意しました。

 なお、今回の支部例会より日本消化器内視鏡学会倫理委員会の倫理審査基準に完全準拠することが決まっております。会員の先生方にはご負担をおかけしますが、どうぞ早めにご準備いただき、多くの演題登録をお願いいたします。支部例会当日は年末の大変お忙しい時期と重なりますが、医局員一同力を合わせて準備して参ります。少しでも多くの先生方の御参加をお待ちしております。