会長挨拶

第108回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会の開催にあたって

第108回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会
会長 北川 雄光

(慶應義塾大学医学部外科学)
会長 北川 雄光

この度、第108回日本消化器内視鏡学会関東支部例会を2019年6月8日(土)・9日(日)の2日間にわたり、シェーンバッハ・サボーにおいて開催させていただくこととなりました。伝統ある本例会をお世話させていただくことを大変光栄に存じます。

近年の内視鏡機器の新規開発、技術の進歩は目覚ましいものがあり、超拡大内視鏡やAIを活用した新規内視鏡機器や新規の治療手技が開発されています。経口内視鏡筋層切除術(POEM)や腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS),LECS関連手技などの対象疾患は過去においては外科手術のみで施行されていた疾患であり、現在においては低侵襲・縮小治療に位置づけられ内視鏡医の注目を浴びるとともに外科医にとってもその適応や手技について認識しておかなければならない治療法であります。また、治療方針を決定する上で内視鏡診断学は必須であり、光学系の発展による新たな診断基準等、内視鏡診断の習得は治療に携わるすべての消化器を専門とする医師にとってさらに必要となっています。

今回の支部例会では、消化器内視鏡検診や癌発生ハイリスク群のスクリーニング等、早期発見のための診断法から、低侵襲治療としての内視鏡治療、腹腔鏡とのコラボレーション治療といった内視鏡治療の最前線まで、検診・診断から治療に至る各領域の近年の話題をシンポジウム・パネルディスカッションの主題テーマとしてあげました。より実践的な日常臨床に役立つべく、内視鏡治療困難症例や胆道鏡のトラブルシューティングなどの演題をビデオワークショップにいたしました。
症例検討セッションは臓器別に食道、胃・十二指腸、大腸、胆道の4分野に分け、用意いたしました。各領域にて興味深い実際の症例を提示していただき解説を加えながら、会場の先生方にはアンサーパッドにて参加していただき、実臨床に役立てていただきたいと考えております。内視鏡技術のトレーニングの場としてのハンズオントレーニングセッションは食道ESD、胃ESD、大腸ESD、EUS-FNAを企画しておりますので、奮って事前の申し込みをお願いいたします。特別講演においては、慶應義塾大学消化器内科の金井隆典先生にお願いいたしました。若手臨床医・研究医、専門医の先生方にも興味深いご講演をいただけると思っております。
また、当学会には若手医師の教育と学会の登竜門としての極めて大きな意義があります。恒例の研修医、専修医セッションでは、優秀演題を選び、奨励金、翌年春の本学会総会ご招待参加証を授与いたします。
若手医師のみならず、内視鏡に携わる多くの先生方の臨床に少しでも役立てるようにプログラムを準備いたしました。是非とも多くの先生方の演題のご応募、ご参集を賜れますよう何卒お願い申し上げます。