会長挨拶

第109回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会の開催にあたって

第109回日本消化器内視鏡学会 関東支部例会
会長 田邉 聡

(北里大学医学部 新世紀医療開発センター)
会長 田邉 聡

安全・確実な内視鏡を極める―基本から応用そして最先端医療まで―

 この度、第109回日本消化器内視鏡学会関東支部例会の当番会長を拝命いたしました北里大学医学部新世紀医療開発センターの田邉 聡でございます。
2019年12月14日(土)、15日(日)の2日間、シェーンバッハ・サボーにて開催させていただきます。歴史と伝統のある本会を担当させていただくことを大変光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いでございます。

 近年の消化器内視鏡領域の進歩には目を見張るものがあります。診断では画像強調観察をはじめ、最近ではAI診断にも注目が集まっております。治療に関しては、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も標準的な治療として広く普及し、腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)や経口内視鏡筋層切除術(POEM)など様々な低侵襲治療も開発されてきております。一方では、複数の基礎疾患を有する高齢者や抗血栓療法施行例など、ハイリスク患者を対象とする機会も増加しております。このような状況下で内視鏡診療を安全かつ適確に行うためには、基本的な診断や治療手技を修得することが重要かつ不可欠であると考えます。

 今回の支部例会では「消化管出血の診断・治療の進歩-現状と課題-」「胃・大腸内視鏡検診の現状と課題」「日常臨床に役立つ画像強調・拡大観察の進歩」「内視鏡診療におけるリスクマネージメントと周術期管理の現状と課題」「炎症性腸疾患の診断・治療における内視鏡の役割」「Helicobacter pylori未感染・除菌後胃癌の内視鏡診断」「胆膵領域におけるEUSの役割-診断から治療まで―」をシンポジウム・パネルディスカッション主題テーマとして取り上げました。日常臨床での様々な課題を一緒に議論し、知識を深めていただければと思います。ビデオワークショップでは内視鏡診断・治療を安全かつ確実に施行するための手技やデバイスの工夫を動画でご提示いただき、実りある率直な議論ができればと考えております。症例検討セッションは、食道・胃、十二指腸・小腸、大腸、胆膵の4領域に分けて企画いたしました。各領域とも興味深い症例をディスカッションすることにより実臨床にお役立ていただければと思います。ハンズオントレーニングは、上部ESD、下部ESD、下部挿入法、EUS-FNAを用意いたしますので、若手の先生方は奮ってご参加いただければと思います。

 特別講演には静岡県立静岡がんセンター副院長・内視鏡科部長の小野裕之先生にお願いいたしました。ESDの開発から消化器内視鏡の今後の展望について興味深いお話しをいただけると思っております。

 若手医師のみならずベテランの専門医、実地医科の先生方にもお役立ていただけるような実践的な内容を準備いたしました。ぜひとも多くの先生方に演題のご応募、ご参加いただけますようお願い申し上げます。