希望講演形式


第117回日本消化器内視鏡学会関東支部例会 ご案内と演題募集のお知らせ

会長:布袋屋 修(虎の門病院 消化器内科 部長)
会期:2023年12月9日(土)・10日(日)
会場:シェーンバッハ・サボー(〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館内)

・主題
・一般演題、研修医セッション、専修医セッション(口演:公募)
消化器内視鏡に関する演題を広く募集いたします。
応募は「本学会および他の学会で未発表」で、「倫理規定に抵触しない」演題に限ります。
口演は全てコンピュータープレゼンテーションです。
演者数につきましては、主題:5名以内、一般演題、研修医セッション、専修医セッション:
21名以内としてください。

※演題発表時に医学部卒後5年以内の研修医(初期研修医)および専修医(後期研修医)が筆頭演者の演題のうち、優れた6演題を選出し表彰いたします。受賞者には奨励金として3万円を贈呈いたします。
さらに、筆頭演者は翌年春の日本消化器内視鏡学会総会へ招待されます。(学会参加費、交通費、宿泊費等は日本消化器内視鏡学会が負担します。)奮ってご応募ください。
演題登録の際、「講演形態」選択肢欄の『研修医』、『専修医』を選択し、登録してください。

主題1

「上部消化管内視鏡治療の進歩(腫瘍、出血含む);
基本 工夫 トラブルシューティング」

司会 今枝 博之(埼玉医科大学 消化管内科)
後藤 修(日本医科大学付属病院 内視鏡センター)
統括発言 矢作 直久(慶應義塾大学医学部 腫瘍センター)

内視鏡治療が有する低侵襲性は他のモダリティによる治療手段に代えがたいメリットである。腫瘍切除や消化管出血に対する止血は上部消化管内視鏡の主軸となる治療手技であり、前者は胃ポリペクトミーに始まり、EMR、ESDの誕生に伴って着実に適応を拡げ、近年は粘膜下腫瘍にまでその対象を拡大しつつある。後者は消化性潰瘍出血や食道胃静脈瘤破裂を主な対象として発展し、機械的止血法、局注法、凝固療法、結紮術、硬化療法など複数の手段が考案され、時代的変遷とともに取捨選択されながら今日に至っている。また、近年では食道アカラシア、逆流性食道炎、食道憩室、肥満など様々な良性疾患を対象とした内視鏡治療が進歩を遂げている。本セッションでは、口腔から十二指腸までの上部消化管疾患に対する内視鏡治療の基本的手技とそれを確実なものとするための工夫、および有事の際のトラブルシューティングに焦点をあて、基礎的検討から検証的臨床試験まで、また一例報告からメタ解析まで、明日の内視鏡診療に役立つ内容を広く募集し、より安全で確実な内視鏡治療の実践についてディスカッションする場としたい。

主題2

「下部消化管疾患における内視鏡診断・治療の進歩」

司会 浦岡 俊夫(群馬大学大学院医学系研究科 内科学講座 消化器・肝臓内科学分野)
黒木 優一郎(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 内視鏡部)
統括発言 斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)

 近年、内視鏡診療の発展は目覚ましく、下部消化管領域においても様々な機器開発やアイデアが生まれている。診断では画像強調内視鏡(IEE)の進歩により、NBIやBLIを用いたJNET分類が確立され、LCI、TXIなどの新規IEEによる存在診断や質的診断が模索されている。加えて、超拡大内視鏡やAIの開発も進み、腫瘍性病変のみならず炎症性腸疾患においても診断能の向上が期待される。
 治療では、ESDナイフの開発は一息ついた感があるもののpocket creation methodやwater pressure methodなどのストラテジーの工夫、新たなトラクションデバイスや縫縮法の開発で大腸ESDは専門施設においては2cmを超える早期大腸癌の標準治療となったが、切除困難例の存在や若手への教育など課題も多い。
 また切除法の選択については従来の EMRにCSPやunderwater EMRが加わり、sessile serrated lesion(SSL)に対する取り扱いも含め各施設で様々な取り組みがなされている。出血に対してはGel immersion法やRDIを用いた出血点の同定、吸収性局所止血材による止血など開発が進んでいる。
 本セッションでは下部消化管疾患における観察法を含めた内視鏡診断や治療法の選択、工夫、偶発症予防、トラブルシューティングなど多方面から幅広く演題を募集し、今後の診療に有益な議論を深めたい。少数例の報告や動画の提示、新たなデバイスの使用経験も歓迎する。

主題3

「胆道疾患を内視鏡で診る」

司会 木暮 宏史(日本大学医学部内科学系 消化器肝臓内科学分野)
今村 綱男(虎の門病院 消化器内科(胆・膵))
統括発言 糸井 隆夫(東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野)

 胆道疾患の診断・治療において内視鏡を用いたアプローチ法は多岐に渡る。中心となるのはERCPであり、基本手技となる胆管挿管法、乳頭処置法は複数ある。各種デバイスは多数存在し、ERCPに引き続く胆道鏡・IDUSも重要な役割を持つ。近年は胆道疾患に対してもEUSによるアプローチが多くの施設で行われている。診断ではB-mode以外に造影やElastography、また胆道へのFNAも報告されている。治療ではEUS-BDはアクセス法が複数あり、拡張法やステントの種類・留置位置も様々である。これらERCPおよびEUS関連の手技・デバイスの組み合わせは無数にあり、効率性や経済性など施設の事情や術者の好みにより選択されることも多いのではと考えられる。
 本セッションでは間口を広げ、肝内・肝門部・遠位胆管から胆嚢・乳頭部まで、良悪性疾患は問わず、各施設で行われている胆道に対する内視鏡を用いた診断・治療について幅広く募集する。基本手技の見直し、デバイスの工夫、安全性向上への取り組み、新たな試み、教育的発表など切り口は自由に、明日からの日常診療に役立つような演題を期待したい。なお膵癌・慢性膵炎・AIPなど膵疾患による遠位胆道狭窄は主題4が担当する。

主題4

「膵疾患を内視鏡で診る」

司会 肱岡 範(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
北村 勝哉(東京医科大学八王子医療センター 消化器内科)
統括発言 良沢 昭銘(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)

膵疾患診療に対する診断・治療法として、EUSや十二指腸鏡、バルーン内視鏡が広く利用されるようになり、膵疾患の診療は大きく進歩した。
診断には、EUS Elastography、経口膵管鏡(POPS)などの新たな診断技術・機器を用いた手法の他、早期膵癌の発見には内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)による連続膵液細胞診(SPACE)が行われている。またEUS-FNAでは、良悪性診断のみならず遺伝子パネル検査への応用も行われるようになった。治療に関しては、様々な内視鏡を駆使し、慢性膵炎の膵管狭窄や膵石に対する内視鏡治療、被包化壊死(WON)に対するEUS下ドレナージの他、術後再建腸管へのアプローチも積極的に行われている。
本セッションでは内視鏡を駆使した膵疾患の診断から治療まで、各施設で取り組まれている様々な手技の成績、治療成績を向上させるための工夫やコツ、偶発症の予防策やトラブルシューティングなど幅広く募集し、その知識を共有するとともに、現状と課題について議論していきたい。
なお、膵癌や慢性膵炎・AIPによる遠位胆道狭窄の演題は本セッションで扱い、IgG4関連硬化性胆管炎は別セッションとさせて頂いた。皆様からの多くの演題の応募をお待ちしています。

主題5

「炎症性腸疾患の薬剤選択と内視鏡診断・治療の進歩」

司会 久松 理一(杏林大学医学部 消化器内科学)
松井 啓(虎の門病院 消化器内科(胃腸))
統括発言 大塚 和朗(東京医科歯科大学病院 光学医療診療部)

炎症性腸疾患の患者数は増加の一途を辿り、難治例を中心に新規薬剤開発も著しい。
治療戦略においては内視鏡的寛解をターゲットとしたT2T戦略が提唱されている。
さらに新たな非侵襲的バイオマーカーやcross sectional imagingも実臨床では活用されている。
しかしながら、薬剤選択とその効果判定時期、クローン病小腸病変のマネージメント、IBD関連癌のサーベイランス方法など解決されていない課題も多い。
本セッションでは、各施設における工夫を含めて複雑化する炎症性腸疾患に対する戦略を議論したい。幅広い演題を募集する。

主題6

「新しい上部消化管内視鏡診断学 (IEEを駆使した形態から機能まで)」

司会 二神 生爾(日本医科大学武蔵小杉病院 消化器内科)
角嶋 直美(東京大学医学部附属病院 光学医療診療部)
統括発言 藤崎 順子(がん研究会有明病院 消化器センター)

色素内視鏡、酢酸、各種機器ベースの画像強調観察法による診断など、画像強調内視鏡(IEE)や拡大内視鏡を用いた内視鏡診療は、これまで検診現場における病変の検出・診断から、精査内視鏡による質的・量的診断、そして治療におけるパフォーマンの向上などに寄与してきた。一方で、現在ではポストピロリ時代を迎え、機能性消化管疾患患者が増加し、機能性疾患を内視鏡的に評価できないか、様々なアプローチがなされている。また、手術や内視鏡治療後の消化管運動能評価も重要な課題である。
本セッションでは咽頭から食道・胃・十二指腸に至るまでの上部消化管において、IEEを駆使した、スクリーニング時の病変拾い上げに役立つ工夫や病変の質的診断に役立つアプローチ、さらには内視鏡治療成績など、幅広い応募を期待している。加えて、各施設における、機能性疾患の診療に役立つ新しい試みや挑戦的な演題、臨床成績についてもご報告頂き、新しい上部消化管内視鏡診断学について討論したい。

主題7

「外科医と内視鏡医で診る消化管疾患」

司会 阿部 展次(杏林大学医学部 消化器・一般外科学)
炭山 和毅(東京慈恵会医科大学 内視鏡医学講座)

消化器内視鏡領域における技術発展の積み重ねは、外科治療の代替となる数多くの内視鏡的低侵襲治療法をもたらした。しかし、その対象やアプローチ法の大半は、消化管腔内や消化管壁表層にとどまり、消化管壁が持つバリア機能を可能な限り維持させることで、早期回復や機能温存が図られてきた。しかし、どのような治療法であっても、意図せず消化管壁に過剰な損傷を生じることがあり、穿孔や大量出血などの致命的な偶発症を完全に回避することは難しい。ひとたび緊急事態となれば、適応や時期を逸せず、躊躇なく適切な外科的処置を施すことが、患者の救命に求められる場合もある。特に、近年は、高齢者や抗血栓薬内服患者など、ハイリスク症例に対する治療機会が増えており、従前から外科医と内視鏡医の緊密な連携体制を構築しておくことがリスクの最小化に資する。また、ELPSやoriginal LECSのみならず、各種LECS関連手技や肛門病変に対する切除など、外科系諸科(消化器外科、耳鼻咽喉科、皮膚科など)と内視鏡医が協力して行う治療が積極的に実施されるようになり、さらには、POEMや全層切除など、外科・内科の境界領域とも言える新たな治療法が脚光を浴びている。本セッションでは、領域や対象臓器を問わず演題を募集し、更なる効果的連携につながるような、外科医・内視鏡医間での積極的ディスカッションが行われることを期待している。

主題8

「次世代を担う内視鏡医の育成」

司会 藤城 光弘(東京大学大学院医学系研究科 器官病態内科学講座 消化器内科学分野)
小田島 慎也(帝京大学医学部 内科学講座)
統括発言 後藤田 卓志(日本大学医学部 内科学系 消化器肝臓内科学分野)

日本消化器内視鏡学会の認定する消化器内視鏡専門医は、新専門医制度の下で内科を主な基本領域とするサブスペシャルティ領域として新たな歩みを開始しようとしている。その整備基準には、「消化器内視鏡専門医は、医院・クリニック等での地域医療から基幹病院や大学病院等での専門医療に至るまで世界水準に適うレベルの高い消化器内視鏡医療を継続的に提供することができる専門家集団であると同時に、多くの臨床研究論文を国際誌に発表して世界の消化器内視鏡を先導することが求められる」と記載されている。本主題では、内視鏡医の育成における各施設の工夫をご披露いただき、Diversity and Inclusionの考え方を導入した次世代内視鏡医の育成について議論したい。内視鏡診断学の教育や内視鏡検査・治療の技術伝承に限らず、AIをはじめとするIT技術の活用、男女共同参画推進のための方策、国際的に活躍する内視鏡医を目指した指導体制など、各施設の内視鏡医育成に関する演題を広く募集する。消化器内視鏡は診療科横断的に行われており、内科に限定することなく、外科をはじめ内科以外の基本領域を有する内視鏡医の育成における工夫があれば、積極的に応募いただきたい。

主題9

「新時代の内視鏡周術期管理におけるリスクマネージメント(感染対策・鎮静・高齢者・抗血栓薬)」

司会 山本 貴嗣(帝京大学医学部 内科)
土屋 貴愛(東京医科大学 臨床医学系 消化器内科学分野)
統括発言 永原 章仁(順天堂大学医学部 消化器内科)

 近年の内視鏡診療は診断のみならず治療まで発展が著しく、それに伴い高度化、複雑化しており、更なる向上には医療安全の観点からも、より質の高い周術期管理が求められる。内視鏡周術期管理は、インフォームドコンセントから始まり、タイムアウト、前処置と鎮静、術中のモニタリング、症例ごとのリスク評価、偶発症対策など多岐に渡り、医師だけでなく、様々な業種のメディカルスタッフと共に協力して行う必要がある。昨今のコロナ禍において、感染対策が再びクローズアップされ、時代に合った内視鏡周術期管理として各施設で様々な工夫が行われてきたと推察される。そこで本セッションでは、新時代に即した感染対策の実際、鎮静の是非そして方法、増加する高齢者への対応、抗血栓薬の取扱いなどの「内視鏡周術期管理におけるリスクマネージメント」について改めて論じてみたい。各施設または複数の施設における取り組みなどに関する演題の応募を広く期待する。医師だけでなく看護師や内視鏡技師などの参加も大いに歓迎したい。内視鏡スタッフが一丸となって、内視鏡診療における質の高い安全管理に向けて、活発な議論を交わしたい。

主題10

「内視鏡検診のパラダイムシフト(上部・下部 現状と展望)」

司会 中島 寛隆(早期胃癌検診協会附属茅場町クリニック)
松田 尚久(東邦大学医療センター大森病院 消化器内科)
統括発言 河合 隆(東京医科大学 消化器内視鏡学分野)

 内視鏡検査は、消化管がん検診において有効な手段である。上部では死亡率の抑制効果が明らかな胃の他にも、咽頭・喉頭や食道から十二指腸へ至る範囲での応用が期待されている。よって、扁平上皮癌、Barrett腺癌、胃癌、十二指腸腫瘍等に対する安全で効率的なスクリーニング法の確立が、この領域の課題である。本主題の上部パートでは、撮影法、精度管理、リスク層別化、偶発症といった基本的な項目に加えて、画像強調内視鏡、AIの研究など多様な視点で議論を進めたい。一方、下部(大腸)では、便潜血検査に全大腸内視鏡検査(TCS)を組み入れた対策型検診への期待が高まっているものの、対象集団や適切な検査間隔の設定、検査処理能力、安全性の担保、検査施行医の要件、精度管理の方法、発見ポリープへの対応、PCCRC(内視鏡検査後発見大腸癌)の問題など課題が数多く残っている。下部のパートでは、TCSを組み入れた大腸がん検診の実現に向け、これらの課題に関する議論を行いたい。内視鏡検診を実施している施設からの演題に限定せず、診療において上部・下部スクリーニング内視鏡検査を行っている医療機関からも広く演題を募集する。

JGES-Kanto Cup

司会 大圃 研(NTT東日本関東病院消化管内科)
菊池 大輔(虎の門病院 消化器内科)

恒例となりましたJGES-Kanto Cupですが、第117回日本消化器内視鏡学会関東支部例会でも開催をいたします。我こそはという達人の技、新しいアイディア、模範となる様な基本手技、教訓となるべき症例など内視鏡手技のビデオを領域問わず広く募集いたします。手技の要約を抄録として提出していただき、演題の採択を決定させていただきます。例会当日は、5分以内にまとめたビデオとともに、1分程度の自己紹介のスライドをご用意いただきたいと思います。手技のきれいさや新規性、症例の教訓度、演者のプレゼンテーション能力の3つの項目に分けて審査委員が採点し、3位までの発表には、表彰、トロフィー、賞金の授与を行いますので皆様、奮ってご応募下さい。
(応募資格)
1. 発表内容は本学会および国内の他の学会でも未発表であること
2. 倫理規定に抵触しないこと
3. 同一の所属から複数の先生が応募することはできません